上神主・茂原官衙遺跡から出土の刻書瓦、国重文に 栃木

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同じ人名とみられる筆跡の異なる文字が刻まれた3枚の瓦の一部=宇都宮市、上三川町提供
同じ人名とみられる筆跡の異なる文字が刻まれた3枚の瓦の一部=宇都宮市、上三川町提供

 国の文化審議会は15日、宇都宮市と栃木県上三川町にまたがる国指定史跡「上神主(かみこうぬし)・茂原官衙(もばらかんが)遺跡」から出土した「刻書瓦(こくしょがわら)」の国重要文化財(美術工芸品)指定と、真岡市物井の「桜町二宮神社本殿」と「桜町二宮神社礼拝殿及び弊殿」の国登録有形文化財(建造物)登録について、文部科学相に答申した。

 これにより、県内の重要文化財(美術工芸品)は125件、登録有形文化財(建造物)は270件となる。宇都宮市では20年ぶりで7件目、上三川町では初となる。真岡市は26年ぶりで3件目。

 「上神主・茂原官衙遺跡」は、7世紀後半~9世紀に営まれた古代の官衙(役所)跡。明治期から瓦が出土することで知られていたため寺院跡とも考えられていたが、1995年からの市町共同の調査結果で、政務を行う政庁と、税として徴収された稲などを収める倉庫が集まる正倉群で構成されている官衙であることが明らかになった。他の官衙遺跡にはない特徴も多く、全国的にも重要であるとして2003年に国の史跡に指定されている。

 「刻書瓦」は、正倉群の中で1棟だけの、大型で瓦ぶきの礎石建物跡から出土した文字を刻んだ瓦。2300点以上の出土があった中で、多くは人名が刻まれており「酒部(さけべ)」「雀部(さざきべ)」など奈良時代に河内郡に住…

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