「暴露系YouTuber」として100万人以上の登録者数を誇ったガーシー(本名・東谷義和)被告に3月14日、有罪判決が言い渡された。動画配信サイトで芸能人の情報を流し、売り上げた収入は1億円超。一時は国会議員に上り詰めた男の顚末(てんまつ)は、動画配信が単に人の耳目を集める道具ではなく、カネを稼ぐ犯罪ツールとも化したことを象徴する。
「小学生がなりたい職業」の上位にランクインすることが多い「YouTuber」。数年前までは注目を集めるために投稿した迷惑行為の一部が、犯罪として摘発されるケースもあったが、近年は広告収益などを目当てに重大な罪を犯した動画投稿も目立つ。
23年11月には、事件の容疑者を拘束して警察に突き出す「私人逮捕」の様子を撮影するため、男に覚醒剤を持参するようネット掲示板でそそのかしたとして、YouTuberの男2人が覚醒剤取締法違反(所持)の教唆容疑で警視庁に逮捕された。
ガーシー被告の公判では、検察側が「ネット上の誹謗(ひぼう)中傷をエンターテインメントとする風潮を作出した」と指摘。1億円超の収益を得た「職業的犯行だ」と切り捨てた。
今回の判決がYouTuberによる犯罪抑止につながるか、注目される。(宮野佳幸)
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