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漫画「数字であそぼ。」は数学が分からなくても面白い? 文系マンガ家が感じた挫折と歓喜サダタローのゆるっとマンガ劇場(1/7 ページ)

» 2024年03月10日 07時14分 公開
[サダタローITmedia]

 絹田村子先生が「月刊フラワーズ」(小学館刊)で連載中の漫画「数字であそぼ。」が、「第69回小学館漫画賞」を受賞しました。「数学の話なのに実はギャグ漫画」という講評を聞き、気になったのでボクも読んでみました。

漫画「数字であそぼ。」公式ページ © 絹田村子/小学館

 数字であそぼ。は、驚異の暗記力を持つ主人公・横辺建己(よこべ たてき)が、名門大学の数学に四苦八苦する姿を描くコメディ。作中では大学で勉強する数学の内容を解説しています。

 数学は高校生まで、習った内容も「数II・B」までだった文系人間のボクは、作中に出てくる数学の内容が正直全く分かりません。しかし、何度か読み返すうちに少しずつですが理解できるようになり、一つ理解できると後のエピソードで扱われることも分かるようになっていきました。

 「数学とは恐ろしいほどに積み重ねの学問」と作中で表されているのですが、まさにこのマンガを読むとき、その数学の難しさと面白さを主人公の横辺くんと共に体験できるのです。もちろん、マンガ自体が面白いので、何度でも読み返したくなる点も重要だったと思います。

 数字であそぼ。では、かなりリアルに、ときに突拍子もない展開で横辺くんのキャンパスライフを描いています。彼を取り巻く友人や教授たちも魅力的で、彼らの学生生活をずっと追いかけていたくて、マンガを読む手が止まりません。

 同じくマンガでメシを食っている身としては、数学の話題をうまくエピソードに絡める構成力、大学の数学の内容をかなり分かりやすく解説してくれていることに感心しきり。きっと、絹田村子先生はかなり勉強や取材をされたのではないでしょうか。

 数学が好きな人はもちろん、数学が分からない人でも十分に楽しめる作品なので、皆さんも是非、数字であそぼ。を読んで、数学を理解する楽しさを経験してみてください。

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