世界各国で出版された「サピエンス全史」などの著者でイスラエルの歴史学者・哲学者、ユヴァル・ノア・ハラリ氏が来日した。その言動が注目されている同氏を囲んだ公開イベント「デジタル時代の教育と科学の役割」が3月17日に東京大学安田講堂(東京都文京区)で開かれた。 議論や意見交換を通じてハラリ氏は「加速化する時代の変化に対応できる『柔軟な心』を育てる教育の重要性」を強調した。
ハラリ氏は斬新な視点で人類史を考察し、「世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)」などの国際会議や各国での講演の場を通じ、人工知能(AI)に代表される先端テクノロジーの進歩が人間社会に与える影響について積極的に発言している。この中で、過去の技術が人間の手にあった道具であったのに対し、AIは自ら決定する能力を持ち得るため、人間の対応力が問われるなどと問題提起してきた。
東大安田講堂で行われた公開イベントは東京大学国際高等研究所東京カレッジ、ドイツ日本研究所、河出書房新社が共催した。科学と社会の関係に詳しい林香里・東京大学理事・副学長・教授と江間有沙・東京大学東京カレッジ准...