中高年以降で「聞き返し」が多くなったら、早めの補聴器使用により認知症の予防が期待できることを慶應大学の研究グループが明らかにした。4つの周波数について平均38.75デシベルより大きな音が聞こえていない場合、認知症のリスクになり得るという。同グループでは「補聴器にはネガティブなイメージがあるかもしれないが、日常会話で聞き取れないことが出てきたら、早めに『専門職』に補聴器を作ってもらった方が良い」としている。
認知症のリスク要因として難聴があることは、ランセットなどの学術論文でも明らかになっている。しかし、どの程度の難聴になれば補聴器で「聞こえ」の介入をした方が良いのかは分かっていなかった。さらに、「聞こえ」と認知症の関連を調べた他の研究は高齢者を母数にしており、もともと加齢による難聴の影響があると考えられた。