Excelでデータ分析をする際、「特定の条件に合うデータだけの平均を求めたい」と思ったことはないだろうか?そんなときに役立つのがAVERAGEIF関数だ。
この記事では、AVERAGEIF関数の基本的な使い方からエラーの対処法、そして実務での活用例までを詳しく解説する。Excelを使ったデータ集計や分析のスキルを向上させたい人は、ぜひ参考にしてほしい。
AVERAGEIF関数とは
AVERAGEIF関数は、指定した条件に一致するセルの平均を求める関数。特定の範囲内で条件を満たすデータだけを平均化できるため、データ分析やレポート作成に役立つ。
■AVERAGEIF関数の構文
AVERAGEIF関数は、指定した条件に一致するデータの平均を求める関数。構文は =AVERAGEIF(範囲, 条件, [平均範囲]) のように記述する。
- 範囲
- 条件
- 平均範囲(省略可)
例えば、売上データの中から「100以上」の値を持つセルの平均を求める場合、=AVERAGEIF(A1:A10, “>=100”) と記述する。
■AVERAGE関数とのちがい
AVERAGE関数とAVERAGEIF関数は、どちらも平均を求める関数だが、AVERAGE関数はすべてのデータを考慮するのに対し、AVERAGEIF関数は条件に合うデータだけを抽出して平均を計算する。
AVERAGE関数は指定した範囲内のすべての値の平均を求める。AVERAGEIF関数は条件を満たすセルのみを対象に平均を計算する。
例えば、以下のような売上データがあるとする。
商品A |
8,000 |
商品B | 12,000 |
商品C | 15,000 |
商品D | 5,000 |
このデータをもとに、AVERAGE関数とAVERAGEIF関数の違いを見てみる。
AVERAGE関数を使用すると、=AVERAGE(B2:B5) という数式で、すべての売上の平均を求める。計算結果は (8,000 + 12,000 + 15,000 + 5,000) ÷ 4 = 10,000 となる。
AVERAGEIF関数を使用すると、=AVERAGEIF(B2:B5, “>=10000”) という数式で、「売上が10,000円以上」のデータのみを対象に平均を求める。計算結果は (12,000 + 15,000) ÷ 2 = 13,500 となる。
それぞれの性質を理解し、状況に応じて使い分ける必要がある。
AVERAGEIF関数の使い方
AVERAGEIF関数の基本的な使い方について解説する。
■AVERAGEIF関数の基本的な使い方
AVERAGEIF関数を使うと、特定の条件に一致するデータのみを対象に平均を求めることができる。以下の例で、具体的な使い方を見ていこう。
例1:特定の値以上のデータの平均を求める
3月 |
8,000 |
4月 | 12,000 |
5月 | 15,000 |
6月 | 18,000 |
この売上データの中から、10,000円以上の売上の平均を求める場合、以下のように記述する。
=AVERAGEIF(B2:B5, “>=10000”)
この式では、B2:B5の範囲内で「10,000以上」のデータのみを対象に平均を計算することができる。
例2:別の列の値を基準に平均を求める
田中 |
8,000 |
佐藤 | 12,000 |
田中 | 15,000 |
山本 | 5,000 |
田中 | 18,000 |
この売上データから、担当者「田中」の売上平均を求めたい場合、以下のように書く。
=AVERAGEIF(A2:A6, “田中”, B2:B6)
この場合、A2:A6の範囲内で「田中」と一致する行のB列の値を平均することができる。
■AVERAGEIF関数を使用する際のよくあるエラーと対処法
AVERAGEIF関数を使用すると「#DIV/0!」が表示されることがある。これは、条件を満たすデータが1つもない場合に発生する。IFERROR関数を使えばエラーを回避できる。例えば、=IFERROR(AVERAGEIF(A2:A6, “田中”, B2:B6), “該当なし”) と記述すると、条件に一致するデータがない場合に「該当なし」と表示できる。
条件に数値を指定しているのに正しく動作しないこともある。これは、「>=10000」のように演算子を使用するときに適切に文字列として扱えていないことが原因となる。演算子を含める場合は、ダブルクォーテーションで”〇〇”のように囲む必要がある。
例えば、=AVERAGEIF(B2:B6, >=10000) のように記述するとエラーが発生するが、=AVERAGEIF(B2:B6, “>=10000”) のようにダブルクォーテーションで囲めば正しく動作する。
エラーを防ぐために、条件の指定方法を正しく理解し、適切に関数を活用する必要がある。
AVERAGEIF関数の活用方法
実務で使えるAVERAGEIF関数の活用方法について解説する。
■クライアント別の平均売上を出す
営業や販売データを扱う際、クライアントごとの平均売上を求めることで、取引状況を把握しやすくなる。
以下のようなデータがあるとする。
A社 |
10,000 |
B社 | 15,000 |
A社 | 20,000 |
C社 | 25,000 |
B社 |
30,000 |
A社 | 15,000 |
このデータから「A社の平均売上」を求める場合、以下の式を使う。
=AVERAGEIF(A2:A7, “A社”, B2:B7)
この関数は、A列で「A社」と一致する行のB列(売上)の平均を求める。結果は 15000((10000+20000+15000) ÷ 3)となる。
■特定のグループの平均成績を出す
学校の成績や試験結果などで、特定のグループの平均点を求める場合にもAVERAGEIF関数が役立つ。
以下のような成績表があるとする。
1組 | 田中 | 85 |
2組 | 佐藤 | 90 |
1組 | 鈴木 | 80 |
2組 | 山田 | 70 |
1組 | 高橋 | 95 |
1組の平均点を求める場合、以下の式を使用する。
=AVERAGEIF(A2:A6, “1組”, C2:C6)
この関数は、A列で「1組」と一致する行のC列(得点)の平均を計算する。結果は 86.67((85+80+95) ÷ 3)となる。
まとめ
この記事では、AVERAGEIF関数の基本的な使い方からエラーの対処法、そして実務での活用例までを詳しく解説した。最後に、AVERAGEIF関数の構文や使用時のポイントをおさらいしよう。
AVERAGEIF(範囲, 条件, [平均範囲])
範囲:条件を適用するセル範囲
条件:平均を求めるための条件(数値、式、文字列など)
平均範囲:平均を計算するセル範囲
- 基本の使い方 :指定した範囲の中で、条件に合致するデータの平均を計算できる
- エラーの対処法 :#DIV/0!エラーの回避方法や、条件の指定ミスを防ぐポイントを押さえておく
- 実務での活用 :クライアント別の売上分析や、グループごとの成績集計など、さまざまな場面で役立つ
AVERAGEIF関数は、特定の条件に一致するデータのみを対象に平均を求める便利な関数。通常のAVERAGE関数との違いを理解し、データ分析やレポート作成に活用しよう。
構成/編集部