「所見」とは?意味を例文でご紹介
所見(しょけん)とは、見た事柄や見た結果の判断や意見のことです。単に、ある事柄についての意見や考えを指すこともあります。
- 医師の所見によれば、2、3週間もすれば退院できるらしい。
- 専門家ではないが、尋ねられたことについての所見を述べた。
一般に、結果を判断したり意見を求められたりするのは、特定の分野における専門家です。そのため、所見という言葉は、医療関係なら医師や看護師、教育関連なら教師や教育学の学者などの意見について使われることが多い傾向にあります。
参考:デジタル大辞泉
■所見と意見の違い
意見(いけん)とは、ある問題に対する主張・考えや心に思うところを指す言葉です。
- 各自が思い思いに意見を述べた。
- プロジェクトをそのまま続けるか断念するかについて、社内で真っ二つに意見が分かれた。
また、自分の思うところを述べて、人の過ちをいさめることを指すこともあります。
- 「それはさすがにハラスメントだと思います」と、新入社員が意見をした。
- 彼の自分本位な行動について、同郷の先輩が意見をする。
所見と意見は同じ意味で使われることもありますが、意見には「結果を判断する」といったニュアンスがないため、専門家に意見を求めるときは所見のほうが適しているかもしれません。
参考:デジタル大辞泉
■所見と見解の違い
見解(けんかい)とは、物事に対する考え方や価値判断のことです。
- どちらの意見が間違っているというわけではなく、単に彼とわたしの見解の相違だ。
- なぜ彼女が反対しているのか、まずは見解を明らかにしてもらいたい。
所見と同じく見解にも、「判断」の意味が含まれます。そのため、専門家の意見を求めるときにも「見解」が使われることがあります。
- 金属加工の専門家の見解によれば、接合時の温度が低かったことが今回の事故につながったようだ。
- 医師の見解では、治療はまだ始めなくてもよいらしい。
参考:デジタル大辞泉
■所見と所感の違い
所感(しょかん)とは、事に触れて心に感じた事柄や感想のことです。
- 「どうですか?今日のお茶会は」と主催者に尋ねられ、所感を正直に述べた。
- 今年最初の出社日に社長が年頭所感を述べた。
所感は所見とは異なり、見た事柄や見た結果の判断といったニュアンスはありません。意見というよりは感想を述べるときには、所見よりも所感が適しているといえるでしょう。
なお、「所(しょ)」には、何かが行われるところや何かがあるところといった空間を指す意味だけでなく、動作や行為を表す語の前に置いて「……するところ」「……するもの」の意味も示します。
つまり、所感なら「感じるところ」、所見なら「見るところ」という意味だと考えられます。感じたものをそのまま表現するときは「所感」、見たものから判断するときは「所見」というように使い分けてみましょう。
参考:デジタル大辞泉
■所見と考えの違い
考えとは、考えることや、考えて得た結論・判断・予測・決意などのことです。
- 明日までに考えをまとめて、レポートとして提出してほしい。
- 社長が示した考えは、幾分、理想主義に偏っているように思える。
考えは所見と同じ意味で使われることがありますが、見たものや判断といったニュアンスを表現したいときは所見のほうが適していると考えられます。
参考:デジタル大辞泉
さまざまな分野で使われる「所見」をご紹介
「所見」には判断といったニュアンスがあるため、医療や保険、教育などの専門分野で使われることが多い言葉です。「所見」を含む言葉がどのように専門分野で使われているのか、いくつか例を挙げてご紹介します。
■【医療】検査所見・正常所見・異常所見・有所見
医療分野では、「検査所見」という言葉が頻繁に使用されます。検査所見とは、検査結果から医師などの専門家が判断したもののことです。
たとえば、血液検査を実施したとしましょう。血液中に含まれる成分の濃度などから、病気の兆候や健康状態を判断したものが「検査所見」です。特に問題がないと思われるときは「正常所見」、問題があると判断されるときは「異常所見」と判定されます。
体内で生じる異変を早期に理解するためにも、検査が必要です。しかし、検査を受けたとしても「検査所見」を見なくては、結果を活かせません。結果所見に生活習慣の見直しや再検査、医学的介入について記載されているときは、速やかに反応することが大切です。
■【医療】神経学的所見
神経学的所見とは、神経学的診断によって体内のどこに問題が生じているか判断する結果のことです。
たとえば、むち打ちは自覚症状はあっても、視診や触診、画像診断といった通常の診断方法では原因や異常そのものを示すことが難しいとされています。通常の診断で分析することが難しいときは神経学的診断を実施し、神経学的所見を示すことが必要です。
神経学的所見は、症状を早く正確に理解するだけでなく、早期治療にもつながります。また、なんらかの後遺障害が生じたときも、神経学的所見を示すことで保険請求ができるかもしれません。
■【保険】医学的他覚所見
医学的他覚所見とは、理学的検査や神経学的検査、臨床検査、画像検査などによって判別する異常所見のことです。
医療保険や損害保険などの保険請求時には、請求の根拠となるものを示さなくてはいけません。医学的検査を実施し、異常が存在すること、また、その存在により保険請求の要件を満たしていると示すことが求められます。
所見を使いこなそう
所見は医療や保険、教育などの領域で使われることが多い言葉です。
単に「考え」の意味でも使われますが、なんらかの判断が必要な場面で使われる傾向にあるため、専門家の意見といったニュアンスを持つことがあります。意味を理解し、適切な場面で使うようにしましょう。
構成/林 泉