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北欧生まれのボルボ「EX30」が雪上でも安心して走ることができる理由

アットダイム 1 月 前
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上越妙高で行われたボルボEX30の雪上試乗会に参加した。当日は、曇り、一時雪、時折、雹が降る天気であり、寒波が来襲している真冬の気候であった。試乗したEX30は2023年11月にすでに発売されている2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストカーにも選ばれた、Ultra Single Motor Extended Rangeの後輪駆動=FRモデル。ボルボとしては、雪道に弱いとされているEX30の後輪駆動=FRモデルの雪道での実力を試してほしいという狙いに違いない。

前編はコチラ

後輪駆動でもへっちゃら!?雪上走行でわかったボルボ「EX30」の走行性能

今年の冬は日本の各地に強烈寒波が来襲し、各所に大雪注意報が発令されている。その最中、なんと北欧の自動車メーカー、ボルボの電気自動車、EX30の試乗が上越妙高で行...

FR=後輪駆動とはいえ、電気自動車ならではトルク制御が雪道で威力を発揮

後輪駆動=FRモデルが雪道に弱い・・・とされる理由は、しかし、エンジンを前輪側に搭載するクルマでのことではないか。つまり、重たいエンジンが前輪側にあり、しかし駆動するのは後輪のため(前55~50:後45~50の重量配分が理想とされる)、雪道では駆動する後輪に十分な荷重がかかりにくく、発進、坂道での駆動輪のトラクションを稼ぎにくい・・・ということからだろう。が、ボルボEX30のUltra Single Motor Extended Rangeは272ps、35.0kg-m、0-100km/h5.3秒というスポーツカー並みのスペックを発揮する電気自動車であり、エンジンを積んでいるはずもなく、69kWhのバッテリーは床下に搭載され、FR=後輪駆動とは言え、前後重量バランスは約47:53となり、駆動側の重量配分が多め。さらに電気自動車ならではの緻密なトルク制御が雪道で威力を発揮できることもありうる。

とはいえ、本当に、FR=後輪駆動のEX30が雪道を安心して走れるかは、試してみないと分からない。ということで、上越新幹線上越妙高駅近くの発着場から、EX30を走らせることにした。試乗ルートは上越妙高の除雪された市街地を抜け、上信越道妙高上田ICから高速道路に乗り、妙高高原ICを降りて赤倉温泉に至る山道を走り、雪深い一般道を経由して、上越新幹線上越妙高駅近くの発着場に戻るというルートを設定した。ちなみに足元は245/45R19サイズのスタッドレスタイヤ、ミシュランX-ICE SNOWである。

EX30はクルマに乗り込む際の作法も、これまでの一般的なクルマと異なる。ボタンレスキー(Key Tag)を携帯していれば、クルマに近づけばドアがアンロックされ開くことができ、スタートボタンなどはなく、車両の電源がON。運転席に乗り込んだあとはスタイリング右側にあるシフターレバー(R/N/D-P)をDレンジにセットすればすぐに”電気で”走り出せる。

スカンジナビアデザインでまとめられた車内に入り、運転席に着座すれば、先進感たっぷりだ。何しろステアリング奥にメーターパネルはなく、スピードメーターや時計、外気温時計、エアコンやオーディオ操作、各車機能決定ボタン、もちろんナビ画面はすべてインパネ中央の12.3インチタブレット型センターディスプレーに集約されている。

運転席周りのスイッチ類は最小限で、ステアリング右側のシフター、ステアリング左側のウインカー&ワイパーレバー、ステアリング左右のスイッチ(パイロットアシスト=ACC機能含む)、センターコンソール手前にある前後パワーウインドースイッチぐらいのもの。まずはドアミラーをセンターディスプレーでの設定→ステアリングスイッチで調整し、走り出すことにする。

除雪された上越妙高の市街地、そしてまだ雪のベールに覆われていない上信越道区間では、とにもかくにも、ボルボ最小のSUVにして高級車に匹敵する上質感たっぷりの乗り心地の良さとロードノイズの小ささを含めた車内の静かさが印象的だった。

電気自動車はエンジンが発するノイズがないぶん、ロードノイズや風切り音がノイズの主体となるわけだが、EX30はスタッドレスタイヤを履いていても至って静か。ダッシュボード奥左右いっぱいに配置されるハーマンカードンサウンドシステムのサウンドバーで、この季節に相応しいユーミンの曲を上質な音で聴くにも適した車内空間と言えるだろう。「OKグーグル」「ユーミンの曲をかけて」と話しかければ、即、音楽配信サービスからユーミンの曲を流してくれた。それも今年のSURF & SNOW in naeba vol.45のコンサートで12曲目に披露された「シャングリラを目指せ」から始まり、何曲も聴かせてくれたのだ!!※ボイスコントロールは目的地設定やエアコンの温度調整などもOK。

しかし、上信越道中郷ICあたりからは風景と路面が一転。雪の勢いが強まり、あたりも路面も一面の雪である。しかしEX30はビシリと直進し、レーンチェンジを試みても挙動はFRらしく素直で車体は安定したまま(もちろん丁寧なステアリング操作は不可欠)。ロードノイズはやや高まるものの、依然、ユーミンの曲を堪能できる静かさ、運転の余裕がある。そして19インチタイヤによる路面を問わない乗り心地の良さ、段差のいなしかたのうまさも相変わらずなのである。

エアコンなどで車内を暖めながら走っても、航続距離の減りは穏やか

妙高高原ICを降りるとまさに白銀の世界の走行となった。路面はもちろん降り積もった雪である。カーブで試しにステアリングを操作しつつアクセルペダルを強めに踏めば、一瞬、リヤが流れる挙動を示すものの、すぐに駆動力のトルクが緻密かつ安定方向に制御されるのだから安心安全だ。

赤倉温泉に至る山道は、左右が高い雪壁になっていて、片側1車線の道幅は路肩側が制限される。そこで威力を発揮したのが1835mmという現時点でのボルボSUVの中でもっともナローな車幅だった。狭まった雪道での大型車とのすれ違いは緊張するものだが(避けるために左側に寄せすぎて脱輪する事故も多い)、そんな心配も無用だったのである。

さらに進むと、新雪まじりの深い雪道に突入する。が、EX30は元々の素直な操縦性、低重心パッケージとともに、ステアリングに伝わる路面からのインフォメーションが適切で、こうした路面であっても前輪タイヤの向きが把握しやすく、意のままに操れる感覚がある。下りのカーブでもステアリングを切った方向にみごとなトレース性を示し、不安なし。完全停止まで行えるワンペダル機能はアクセルオフだけでブレーキペダルを踏むことなくスムーズな減速を行ってくれるから、雪道でのストップ&ゴー、不用意なブレーキング(スノーブーツを履いていると繊細なブレーキコントロールが難しくなる!?)によるスリップが心配される下り坂でもじつに頼りになった。

ということで、後輪駆動=FRのクルマでも、電気自動車ならではの前後重量配分と、滑りやすい路面で瞬時に介入してくれる緻密な駆動力制御によって、雪道を安心して走れることを実感。シートヒーターやステアリングヒーターによる、氷点下の外界と遮断された、抜群の車内の静かさ、乗り心地の良さにも満足できる快適で暖かな空間の中で、ユーミンの曲を聴きながら、白銀の世界のドライブを楽しみ尽くせる余裕さえもたらしてくれたのだから、ボルボ史上最少のSUV、フルエレクトリックのEX30の雪上ドライブの実力は恐るべし、と結論していいと思える(スタッドレスタイヤの恩恵もあるが)。ガラスルーフからの樹氷の眺めも最高だった・・・。

ちなみに、極寒の環境でエアコンなどの電装品で車内を暖めながら走っても、航続距離の減りが想像以上に穏やかだった事実も安心材料と言えるだろう。

考えてもみれば、ボルボの本拠地、スウェーデンは12月~3月頃まで、南部の地域を除いてほぼ雪に覆われる厳しい寒さの冬となる。首都ストックホルムでも1月の平均気温はマイナス1度~マイナス5度とされ、北部のキルナでは1月の気温は最低平均気温でマイナス20度を下回ることもあるという極寒の地域。北スウェーデンには日本人観光客も多いアイスホテルが存在していることも有名だ。そんな極寒の気候に鍛えられ、安全性を第一に掲げるボルボがスノードライブ性能に妥協するはずもない・・・そんなことを改めて思い知らされたEX30の上越妙高雪上試乗であった。

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文・写真 青山尚暉

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