北極域では地球平均の3倍の速さで温暖化が進んでいるとされる。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は世界が温室効果ガスの削減対策をしないと、最悪2050年に北極海の海氷がなくなると予測。多くの観測データが北極域の陸地上にできた氷床の減少も顕著であることを示している。気象学の多くの専門家は世界で頻発する熱波、豪雨や干ばつといった「極端気象」も北半球では北極園の温暖化がもたらす偏西風の蛇行が大きく影響していると指摘する。
大気や海水面の温暖化がもたらす気候変動による被害が甚大化して北極域の研究の重要性が一層増している。欧米の研究が盛んだが、国立極地研究所(極地研)と海洋研究開発機構(JAMSTEC)、北海道大学の3機関が中心となる日本の研究プロジェクト「北極域研究加速プロジェクト」(ArCSⅡ)などの成果が相次いで発表されている。