業界最大手のITフリーランス専門エージェント「レバテックフリーランス」などを展開するレバテックでは、東京圏と地方に住むIT人材に対して、地方との関わり方に関する調査を実施。今回は同調査の結果より、「人材編」の概要をお伝えする。
「地方移住」や「二拠点生活」に東京圏に住むIT人材の約4割が前向き
東京圏(※1)に住むIT人材の約4割が、地方(※2)に移住して働くことに「非常に関心がある(12.1%)」「やや関心がある(28.9%)」と回答した。地方移住に関心がある理由は「リモートワークが普及し、働く場所を現在住んでいる地域にこだわる必要はないと感じたため(52.5%)」が最多となり、「自然豊かな環境に魅力を感じるため(49.2%)」が続く。
二拠点生活については、東京圏に住むIT人材のうち36.9%が「関心がある」と回答した。
関心がある理由は「心身のリフレッシュやストレスの軽減になりそうだから(61.8%)」「仕事とプライベートで居住地を使い分けたいから(47.3%)」が上位に見られたほか、約2割が「地域への貢献ができるから(18.2%)」と回答している。
リモートワークの浸透により、働き方やライフスタイルを改めて見直す人も多いことが考えられる。
※1 東京圏:東京、神奈川、埼玉、千葉
※2 地方:「東京圏以外の地域」と定義。この定義は、内閣府が2019年に実施した「若年層における東京圏・地方圏移動に関する意識調査」に準拠している。
■東京圏に住むIT人材の約46%が「地方副業に携わりたい」と回答
東京圏に住むIT人材に対し、「副業として、地方企業の案件にリモートで携わることに関心があるか」聞いたところ、46.4%が関心があると回答した。
その理由としては「新しいネットワークや人脈の構築ができるから(46.4%)」が最も多く、「そのエリアへの移住や、二拠点生活の可能性を探りたいから(34.8%)」が続いている。
一方、「副業が会社で認められていない」と回答した割合は過半数に達した。地方副業に興味があるIT人材は一定数存在する一方で、所属企業の制限などにより、副業に踏み出すことができないIT人材も多い現状が推察できる。
フリーランスとして地方企業に携わりたい理由、約4人に1人が「地方創生」に関心
東京圏に住むIT人材の41.2%が、フリーランス(※3)として、地方企業の案件にリモートで携わることに「関心がある」と回答した。
関心がある理由として最も多かったのは、副業に関心がある理由と同様、「新しいネットワークや人脈の構築ができるから(50.0%)」だった。
次いで「そのエリアへの移住や、二拠点生活の可能性を探りたいから(44.4%)」「出身地にかかわらず、地方創生に関心があるから(25.9%)」と続いている。人脈形成や移住の足がかりとしてだけでなく、地方への貢献意欲を持つ人が少なくないことがわかる。
※3 本調査では、特定の企業や団体に所属せず、専業として独立して働く形態(専業フリーランス)を想定して回答を得ている(正社員として働きながら副業としてという形は除外)。
■地方で働くIT人材の約7割が「今後も地方で働き続けたい」
地方に在住・勤務するIT人材の約7割が、今後もその地域で働き続けたいと回答した。
地方で働いていて良かったことについては、「住み慣れた地域や環境で生活できる(45.9%)」や「親の近くで働くことができる(31.1%)」「通勤時間が都心部と比べて短い(14.8%)」が上位に並んでいる。
慣れ親しんだ環境での生活や良好なアクセス環境が、地方で働く魅力となっているようだ。副業やフリーランスとしての参画だけでなく、地方で働き続けたいと考える人が、求めるキャリアを実現できる体制や制度を整備していくことも重要となるだろう。
調査概要
調査対象/IT人材214名
調査年月/2024年12月11日~2024年12月12日
有効回答数/214名
調査方法/インターネット調査
調査主体/レバテック株式会社
実査委託先/GMOリサーチ&AI株式会社
関連情報
https://levtech.jp/
構成/清水眞希