2024年のノーベル物理学賞は、ジョン・ホップフィールド氏(プリンストン大学、米国)、ジェフリー・ヒントン氏(トロント大学、カナダ)に授与された。現在のAIの基礎となる人工ニューラルネットワーク(神経回路網)による機械学習を可能にした発見と発明を評価したものだった。
しかし、同様の研究は日本でも行われていて、むしろ先行していた。その中心的な人物だった理化学研究所の甘利俊一さん(栄誉研究員/元脳科学総合研究センター長)は、このノーベル物理学賞の発表に対してコメントを発表。二人の受賞を祝福しつつ、「人工知能と神経回路網理論研究の源流は日本にもあり…」と添えていた。
前編の今回は、甘利さんに「源流」を振り返ってもらいながら、今のAIの技術につながる研究成果が日本でどのようにして生まれたのかを語っていただいた。