年齢を聞かれたとき、『満年齢』で答える人がほとんどなのではないでしょうか?満年齢は、日本における標準的な年齢の算出方法です。意外と多くの人が知らない満年齢に関する知識を身に着けていきましょう。
「満何歳?」と聞かれたら
まずは基本的な定義と、数え年との違いを見ていきましょう。
■満年齢の定義
満年齢とは、生まれた日を0歳として、誕生日ごとに年を加算していきます。世界で広く使われている年齢の数え方で、法律や公的書類、病院のレセプトなどでもおなじみです。
例えば、赤ん坊が2025年1月1日に生まれた場合、その年(2025年)いっぱいは0歳のままで、翌年の2026年1月1日の誕生日を迎えた時点で1歳になります。
満年齢は、実年齢と同じです。相手に年齢を聞かれた場合は、「〇月で〇歳です」「〇月で〇歳になりました」などと伝えましょう。
■数え年との比較
数え年は、胎児期間を0歳と見なす考え方から生まれた年齢の数え方です。生まれたばかりの赤ん坊を1歳として数え、毎年1月1日が来るたびに1歳ずつ加算していきます。
アジアの一部の国では、数え年を使うケースが多く見受けられます。韓国では、数え年を廃止し、満年齢に統一する法律が2023年6月に施行されました。
日本では、ほとんどの場面で満年齢が使用されます。数え年は、厄年や厄払いなどの一部の行事で用いられるのみで、日常生活ではあまり使われません。
自分の満年齢を算出してみよう
履歴書を書く際に、年齢早見表や年齢計算アプリを確認する人もいるでしょう。現在の西暦と生まれた年の西暦が分かれば、簡単に満年齢を算出できます。
■満年齢の計算方法
満年齢は、現時点の西暦から、生まれた年の西暦を引いて算出します。例えば、1980年生まれの人が2024年に履歴書を書く場合は、『2024-1980=44歳』となります。
次に、現在の日付が今年の誕生日を過ぎているかどうかを確認しましょう。誕生日を迎えていない場合は、算出された数字のマイナス1歳が正しい満年齢です。
- 誕生日を迎えた人:現在の西暦から生まれた年を減算する
- 誕生日がまだの人:現在の西暦から生まれた年を減算し、さらにマイナス1歳にする
この方法を覚えておけば、履歴書作成時に自信を持って正確な年齢を記入できるでしょう。
■早生まれの場合
最初に、早生まれと遅生まれの定義を確認しておきましょう。早生まれとは、1月1日から4月1日までに生まれた人、遅生まれは4月2日から12月31日に生まれた人のことです。
早生まれだからといって特別なルールはなく、同級生に満年齢を合わせる必要もないことを覚えておきましょう。
例えば、2000年3月1日生まれの人が2024年2月に履歴書を書く場合、『2024-2000=24』という数字が導き出されます。2月の時点では誕生日を迎えていないため、満年齢は23歳です。
履歴書に記載するときの留意点
ここでは、履歴書における満年齢の記載ルールと、誤って記載したときの対処法を解説します。正確な情報提供は、応募者の誠実さを示す重要な要素となるため、しっかりと理解しておきましょう。
■年齢を正しく記載する重要性
企業は、応募者から提供された情報をもとに、人材の見極めや処遇の決定を行います。履歴書の満年齢に誤りがあると、故意的と疑われかねません。
労働者の募集・採用において、企業は年齢を不問とするのが原則ですが、例外的に年齢制限を設定できるケースもあります。年齢制限のある求人では、満年齢の記入ミスが応募資格の喪失につながる可能性があるでしょう。
履歴書の作成時は、インターネット上にアップされている『年齢早見表』で、正しい年齢をチェックすることをおすすめします。
■年齢欄への記載ルール
履歴書に記載するのは、提出日時点の満年齢です。履歴書を郵送するときは『投函日』、Webフォームに入力して送信する場合は『入力時点』の年齢を記載しましょう。
誕生日が、提出日に近い場合は特に注意が必要です。例えば、1990年5月1日生まれの人が2024年4月30日に履歴書を提出しなければならない場合は、満33歳と記入します。提出日が5月2日であれば、満34歳です。
なお、履歴書の提出期間内に誕生日を迎える場合は、提出の日付を誕生日にして『満年齢プラス1』で記載する方法もあります。
■満年齢を誤ったときの対処法
修正が1カ所のみであれば、訂正印の使用も可能ですが、基本的には新しい履歴書を作成し直すことをおすすめします。複数箇所の修正は見栄えが悪くなり、丁寧さに欠ける印象を与える可能性があるためです。
既に送付してしまった場合は、迅速かつ誠実な対応が求められます。気付いた時点で採用担当者に連絡し、状況を説明しましょう。
再提出の際は、他の情報も含めて再度確認し、誤りのない完璧な履歴書を用意することが大切です。履歴書作成時は十分な時間を取り、下書きを行うなどして慎重に作業しましょう。
満何歳には実年齢を答えよう
年齢の数え方・答え方には、一定のルールが存在します。履歴書の年齢欄の書き方で迷ったときは、提出日における満年齢を記載しましょう。記載を間違えてしまったら、修正テープや訂正印を使わずに、書き直しをするのが理想です。
世界には、数え年で年齢をカウントしている国・地域も存在します。韓国では近年、数え年の制度が廃止されましたが、会話の中で年齢が話題に上がったときは、満年齢と数え年のどちらで伝えるかを見極める必要があります。
構成/編集部