霜降りや肉付きの良い黒毛和牛種の生産に欠かせない種雄牛(種牛)の選抜において、精液のホルモンとその受容体の量から精子の奇形率が評価できることを大阪公立大学などのグループが明らかにした。これまで目視に頼っていた精液の検査では見つからなかった異常を見いだす可能性もあり、効率の良い種雄牛の選抜手法や生産性向上につながることが期待されるという。
黒毛和牛は、霜降りや肉付きのよい遺伝子をもつ選ばれた雄牛が種雄牛となり精液を提供し、人工授精や受精卵移植で繁殖する。雄牛は生後1年ほどで性成熟して精液採取が可能になる。この採取した精液中の精子を使えば受精卵ができて雌牛が妊娠できるのかを評価する方法として、現在は主に顕微鏡などで精子の運動や数、形を目視で確認している。