UCC上島珈琲株式会社は、水素を熱源とした焙煎とこれまで培ってきた焙煎ノウハウを組み合わせることによって、従来の熱源では実現できない“水素焙煎ならではのおいしさ”を創り出すことに成功したと発表。
UCCグループは「より良い世界のために、コーヒーの力を解き放つ。」をパーパスに掲げ、コーヒーの新たな可能性を追求し、今までにないコーヒーの価値創造にチャレンジしている。UCCサステナビリティ指針の『2040年までにカーボンニュートラルの実現』に向けた取り組みのひとつとして、水素焙煎の実現に挑戦している。
コーヒー豆の焙煎工程の熱源には、一般的に天然ガスを使用するが、カーボンニュートラルに向けてはCO₂排出が大きな課題となる。UCCは燃焼時にCO₂を排出しない水素火炎を熱源とした水素焙煎に着目して、2022年より研究開発を開始し、現在は、小型のテスト焙煎機で実証研究を重ねている。
2025年4月にレギュラーコーヒー製造の主力工場「UCC富士工場」において、世界で初めて大型水素焙煎機で水素焙煎コーヒーを量産、本格的に販売していく予定。
水素焙煎ならではのおいしさ、はどのように創り出すのか?
UCCグループの焙煎技術を駆使し、水素焙煎という独自の焙煎方法を確立(特許出願中)
コーヒーの焙煎では、コーヒー特有の味覚や香りを引き出すために、微妙な火力調整により焙煎温度をコントロールすることが重要。水素は地球上でもっとも軽く空気中に飛散しやすく、酸素との反応で容易に燃焼するなど、水素の取り扱いの難しさが水素焙煎での課題のひとつ。UCCグループは焙煎技術に強みを持っており、それを活かすことで、昨年、水素混焼バーナーを使用した焙煎装置を開発し、特許出願をしている。この焙煎機を用いて、安定的に製造することが可能。
多彩な味覚形成が可能に。“水素焙煎ならではのおいしさ”
水素焙煎の可能性をさらに追求し、UCCの生産部門、研究開発部門・イノベーションセンターが中心となり、焙煎と試飲、機器分析を繰り返した。その過程で、水素を熱源とした場合、火力の調整幅が既存熱源より広いという特徴があり、幅広い熱風温度での焙煎が可能であること、水素でしか出せない焙煎プロファイルと味覚があることを確認。
このような水素が持つ特性と、温度コントロールや味覚形成に関する知見といったUCCがこれまで培ってきた焙煎ノウハウとを組み合わせることで、従来は不可能だった条件で豆を焙煎できるため、既存熱源よりも多彩な味覚形成が可能となります。すなわちUCCが提供できるコーヒーの味覚幅を広げる焙煎方法としても確立し、“水素焙煎ならではのおいしさ”を創り出すことに成功。(特許出願中)
今回販売する水素焙煎コーヒーついて
コーヒー豆の種類(産地)によって、水素焙煎で引き出せる特性は異なる。水素焙煎でさまざまな産地のコーヒーを試作してきましたが、水素の特性を活かして、酸味形成に重要な温度帯をゆっくりと通過するようにコントロールした結果、フレーバーと酸味の質において、よりフルーティ・フローラルであると有意な差を得ることができ“水素焙煎ならではのおいしさ”を創り出すことができた、エチオピアの最高等級G1グレード・イルガチェフェ地方産のコーヒーを発売する。
もともとイルガチェフェ地方産コーヒーは、エチオピアらしい華やかな風味が印象的だが、水素焙煎ではオレンジの花のようなフローラルな香り、完熟したベリー系のフルーティな味わいを引き出し、加えて、チョコレートのようなコクと甘さを感じられる仕上がりとなっている。
2024年10月9日から、直営のコーヒー豆挽き売り店舗や公式オンラインストアにて、ワンドリップコーヒー製品、炒り豆製品の販売をいずれも数量限定で実施している。
販売場所
・UCCカフェメルカード13店舗 ※販売店舗一覧は別表
・UCC公式オンラインストア https://store.ucc.co.jp/
販売ラインアップ
UCC 水素焙煎コーヒー エチオピアG1 イルガチェフェ地方産コーヒー
・ワンドリップコーヒー1杯分:350円(税抜)
・ワンドリップコーヒー5杯分セット:1,890円(税抜)
・炒り豆100g:1,500円(税抜)
※炒り豆は、UCCカフェメルカード13店舗のみにて販売します。
※いずれの製品もなくなり次第、販売を終了します。
文/編集部