移動の課題に取り組む株式会社NearMeは、トヨタ紡織と内装を共同開発した『シェア乗り車両』の運行を2025年1月23日より東京エリアにて開始した。
この車両は、〝シェア乗り〟での移動時間をより快適で価値のある体験として提供するために開発されたもので、運行はニアミーの子会社であるSmartShuttleが担当する。
『シェア乗り車両』の開発背景
日本は現在、過疎地や地方都市を中心に交通空白地帯の増加が深刻な社会課題となっている。この問題を解決するためには、効率的で持続可能な移動手段の整備が必要。
その解決策の一つとしてニアミーが推進しているのが〝シェア乗り〟だ。〝シェア乗り〟とは、1台の車両を複数組でシェアして移動するライドシェアの一形態で、効率的な輸送とコスト削減が期待されている。
ニアミーでは、独自のAIを活用した最適ルーティング技術に加え、ハードである車両の内装に関する開発にも積極的に取り組むことで〝シェア乗り〟をより快適で有意義なものへと進化させていくという。
さらに同社では「将来的に自動運転が普及する時代においても〝シェア乗り〟による移動が有効な手段の一つになることも見据えて、引き続きお客様の声もいただきながら『シェア乗り車両』の開発を推進していきます」とコメントしている。
『シェア乗り車両』の主な特徴
トヨタ紡織と内装を共同開発した『シェア乗り車両』は、複数組が1台の車両で移動する“シェア乗り”空間においてもストレスを感じることなく、個室のように快適な空間を提供。
そのコンセプトに関して同社では「移動時間をより快適かつ価値のある体験として過ごしていただくことで、より多くの人々に対して日常における移動の選択肢として“シェア乗り”を選んでいただくことを目指しました」と説明している。
■快適な移動時間を演出するシートアレンジ
〝シェア乗り〟による移動を快適に過ごせるように、後部座席エリア8名分の座席と荷室スペースを4名分の個別シートと荷室スペースとした。また、左右の座席を横並びにせず、少しずつ前後にずらすことで、プライベート空間を確保している。
■プライバシーシェード&オーディオ
同乗者からの視線を適度に遮るシェードと、周囲に音が漏れず着席者のみに音が届くパーソナル音響を各席に搭載。プライベート空間を演出する。
■多言語表示ディスプレイ
日本語、英語、中国語(繁体字)、韓国語の4か国語に対応。乗客毎にシェア乗りの経由地、乗車マナーの案内、ルート上の観光スポット紹介などを個別に提供する。
株式会社NearMe 代表取締役社長 髙原幸一郎 氏 コメント
タクシーは、電車やバスなどの公共交通機関と比較して、プライベート空間の確保を必要とされています。
『シェア乗り車両』は、タクシーのシェア乗り事業を行ってきたニアミーが、ユーザーの皆様から頂いた車両に関する様々なリクエストを踏まえ、タクシーの移動を「より快適により価値のある時間として過ごしてもらう」空間づくりを意識しながら、トヨタ紡織とともに車内空間の開発をさせていただきました。
今後このような車内空間を備えた車両が「次のあたりまえ」になるべく推進していきたいと思います。
運行開始後においても、引き続きユーザーの方々からの感想などもいただきながら“シェア乗り”を日常の移動の選択肢としていただくため、車両内体験の向上には引き続き力を入れていきたいと考えています。
関連情報
https://nearme.jp/
構成/清水眞希