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12種類ある肥満症治療薬のうち減量効果が特に高いものはどれ?

アットダイム 1 週 前
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肥満症治療薬の減量効果を比較した研究で、チルゼパチド、セマグルチド、開発中のレタトルチドが特に高い効果を示しました。一方、リラグルチドの効果は限定的でした。

肥満症治療薬、減量効果が特に高いのはどれ?

GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体作動薬などの肥満症治療薬のうち、肥満や過体重の人の減量に最も効果的なのはどれなのだろうか? マギル大学(カナダ)医学部教授のMark Eisenberg氏らにより「Annals of Internal Medicine」に1月7日掲載された新たな研究によると、その答えは、デュアルG(GIP〔グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド〕/GLP-1)受容体作動薬のチルゼパチド(商品名ゼップバウンド)、GLP-1受容体作動薬のセマグルチド(商品名ウゴービ)、および開発中のトリプルG(GLP1/GIP/グルカゴン)受容体作動薬のretatrutide(レタトルチド)であるようだ。これに対し、GLP-1受容体作動薬のリラグルチド(商品名サクセンダ)の減量効果は、これら3種類ほど高くないことも示された。

GLP-1受容体作動薬は、食物を摂取したときに小腸から分泌されるホルモンのGLP-1の作用を模倣した薬剤で、もともと糖尿病の治療薬として開発された。GLP-1は、胃の内容物の排出を遅らせることで食後の血糖値の急上昇を抑えるとともに、中枢神経に作用して満腹感を高める効果を持つ。これにより、食物の摂取量が減り、それが体重減少につながる。デュアルGやトリプルG受容体作動薬は、GLP-1受容体に加え、GIP受容体やグルカゴン受容体などをターゲットにすることで、血糖値上昇を抑制したり満腹感を促進したりする効果を高めようとするもの。

今回Eisenberg氏らは、総計1万5,491人(女性72%、平均BMI 30~41、平均年齢34~57歳)を対象にした26件のランダム化比較試験(RCT)のデータを用いて、糖尿病のない肥満者に対する肥満症治療薬の有効性と安全性を検討した。これらのRCTでは、3種類の市販薬(リラグルチド、セマグルチド、チルゼパチド)およびretatrutideなど9種類の承認前薬剤の計12種類の効果が検討されており、治療期間は16週間から104週間(中央値43週間)に及んだ。

その結果、プラセボ投与と比較して、72週間のチルゼパチド(週1回15mg)投与により最大17.8%、68週間のセマグルチド(週1回2.4mg)投与により最大13.9%、48週間のretatrutide(週1回12mg)投与により最大22.1%の体重減少が確認された。また、これらの効果に比べると控え目ではあるものの、26週間のリラグルチド(1日1回3.0mg)投与によっても最大5.8%の体重減少が認められた。安全性の点では、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などが一般的な副作用として報告されていたが、薬の服用を中止しなければならないほどひどい副作用はまれだった。

論文の上席著者であるEisenberg氏は、「われわれの調査で対象とした12種類の肥満症治療薬のうち、RCTにおいて最も大きな減量効果が報告されていたのは、retatrutide、チルゼパチド、セマグルチドであることが判明した」と結論付けている。

研究グループは、これらの肥満症治療薬の欠点の一つは、治療効果を維持するために継続的な服用が必要な点であると指摘し、「われわれが実施したシステマティックレビューでは、治療期間が長いRCTでは、追跡期間の短いRCTと同様の減量結果が示されている。この結果は、継続的な治療の必要性を裏付けている」と述べている。なお、retatrutideは、イーライリリー社により開発が進められている薬剤で、現在、臨床試験が進行中である。(HealthDay News 2025年1月8日)

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Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/ANNALS-24-01590

構成/DIME編集部

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