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今求められている日本のモノづくりの在り方とは?新たなマテリアルを通じて考える【PR】

アットダイム 1 週 前
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持ち手を無くすという、今までの概念を打ち破った新しいカタチの電動シェーバー『ラムダッシュ パームイン』。その見た目もさることながら、ハイエンドモデル「ES-PV6A」のボディに採用された新規複合素材「NAGORI®」の陶器のような質感も話題になっている。

「NAGORI®」は、三井化学が開発した海水のミネラルから誕生した新素材。プラスチックのような容易な成形が可能でありながら、陶器のような質感・温冷感を再現。海水由来成分を最大75%配合できるため、プラスチックの使用量削減にも大きく貢献する。さらに海水ミネラルに由来する抗菌性・抗ウイルス性も有している優れたサステナブル素材だ。

多くの企業が「NAGORI®」に注目する中、樹脂成形メーカーの石川樹脂工業では、自社ブランド「ARAS」より、海水のミネラルを50%以上含んだ「NAGORI®」を採用したサステナブルコレクション「海水」をリリース。クリエイター集団seccaとの二人三脚で完成したその器は、デザイン性の高さとサステナブルなコンセプトが評価され話題を呼んでいる。

■関連記事:海水のミネラルから誕生したサステナブル素材「NAGORI®」が日本のモノづくりを支える企業に採用される理由とは

海水のミネラルから誕生したサステナブル素材「NAGORI®」が、日本のモノづくりを支える企業に採用される理由とは【PR】

【Sponsored by パナソニック】 今までにない丸みを帯びたデザインを採用し、電動シェーバーの常識を覆したパナソニックのシェーバー『ラムダッシュ パーム...

そんな日本のモノづくり企業を引き寄せる、日本生まれの新素材「NAGORI®」の魅力に迫る。

「NAGORI®」は感性価値に変換できる今までにない素材

左から、パナソニック デザイナー 別所 潮氏、石川樹脂工業 専務 石川 勤氏、secca 代表 上町達也氏

――「NAGORI®」を採用した理由とは?

石川氏 やはり、樹脂・プラスチックと聞くと「環境に悪い」というイメージを持たれる方が多く、長い間、悔しい思いをしてきましたので、サステナブルというコンセプトは非常に重要でした。また、2年ほどシンガポールに駐在していたのですが、シンガポールでは海水淡水化による水資源確保がすごく発展しておりましたので、その重要性を身に染みて感じていました。

感性価値の面では、触り心地や質感がすごく素晴らしい素材感でしたので、そこに魅かれました。「ARAS」は食器のブランドですので、食体験を豊かにするというテーマがあります。そのためには、サステナブルのコンセプトだけだと少し弱いので、そこに魅力的な素材感が加わることで、理想的な食器が完成すると思い採用させていただきました。

上町氏 これまでは、新たな資源を掘削し、ゼロから材料を生成して行うモノづくりが主流だったと思いますが、その結果、いろいろな社会問題、環境問題につながっていったという経緯があります。ですので、これからはゼロから作るのではなく、皆が「ゴミ」だと考えているようなモノを資源と捉え、0.5から新たなもの(1)を作るような流れが必要になると常々考えておりました。将来海水を淡水化する過程で生まれる廃棄物の活用を目指す「NAGORI®」は、我々が求めるモノづくりとマッチしていると思いました。

また、樹脂の器だからできる食体験の豊かさを追求した時に、今までの樹脂では、道具から提案できる体験の幅に限りがありました。「NAGORI®」は、温冷効果がありますので、器を予め温めておく、冷やしておくなど、使い方の選択肢が増えます。「ARAS」は食体験において、これまでの陶磁器やガラスと同等、もしくはそれ以上に用途や趣に対する選択肢の幅を広げていくことが本質的な価値を届ける上で重要だと考えておりましたので、採用させていただきました。

別所氏 『ラムダッシュ パームイン』の開発にあたっては、手に持つものなので素材感が大事だという共通認識が社内にありました。私がイメージしていたのは、自然の石の存在。自然の石はどの空間に置いても馴染む。そんな家電が作れないかと考えていました。

検討中は大理石を削って作るなど、色々と考えましたが、やはり生産が難しい。そんな中で「NAGORI®」と出会い、手に持った瞬間、「これしかない」と思いました。適度な重量感とひんやり感が、パームインの手に持つ道具としての心地よさを生み出す。そんな感性的な価値に繋がると思いました。

また、『ラムダッシュ パームイン』は、「引き算」が商品のコンセプトでした。そういう意味では、部品を減らして、ただ質素にするのではなく、素材で感性価値的な要素を還元することも、コンセプトとの相性も良かったと思います。

――そもそも『ラムダッシュ パームイン』が誕生したきっかけは?

別所氏 開発がスタートしたのがコロナ禍。世の中の価値観が本当に変わり、いい暮らしや男性らしさの定義が変化したタイミングでした。機能性だけを追い求めることだけが正解ではなくなってきました。そんな中、ヒゲをうまく剃るという機能だけではなく、体験も重視しなくてはいけないのではないか?と思ったのがきっかけです。

我々のシェーバーの強みは、モーターと刃ですが、今まで数多く行われたユーザー調査を見ると、「ヘッドを直接握って剃っているユーザー」が少数ですが一定数いることがわかりました。それを知ったときに、持ち手の部分はそこまで重要ではないのではないかと。モーターと刃が詰まったヘッドだけでも強みは最大限生かすことができると思い、持ち手のないデザインが生まれました。

日本らしさとは何か、を考える時期にきている

――「ARAS」は石川県加賀市、『ラムダッシュ パームイン』の本体は滋賀県彦根市にて開発から製造まで一貫体制。日本で作ることへのこだわりは?

石川氏 実は「ARAS」を作る前は、なぜこの場所で作っているのか、ということまで意識がいってなくて。僕自身、ずっとこの地元である石川県加賀市があまり好きじゃなかったんですね(笑)。それで東京に行って、別の会社に入ったんですけど、やっぱりモノづくりがしたいと思って戻ってきました。

そして「ARAS」の開発をスタートしていくと、なぜ我々はこれを作らなきゃいけないのだろう、という思いに駆られてきました。例えば、海外の方とお話しすると、「あなた達はどうしてこれを作っているのか。あなた達は何者なのか」。そんなことを率直に聞かれることがありました。

そんな中、石川県加賀市は、加賀百万石・前田家ゆかりの技術の継承などもある伝統工芸の街。さらに食文化も豊かで雪景色などの季節の変化もある。その土地だからこそ継承されてきたモノづくりがあり、その土地の意味があるので、そのアイデンティをしっかり持たないと、製品としての意味が伝わりづらい、説明しきれない、そういう思いが、日本でのモノづくり、加賀市でのモノづくりの意味につながっているのかなと感じています。

別所氏 私自身は、彦根市に縁もゆかりもなかったのですが、弊社の彦根工場の歴史と積み上げてきた技術を初めて見たときに本当に感動しまして。この素晴らしい技術をどうすれば世界に届けられるだろうと考えながらモノづくりを行なっています。

上町氏 モノを作るということは、そこに産業があり、産業があるということはそこにいろいろな人が関わることにつながります。いろいろな人がいるということは、そこには住まいもあり、家族があるので、モノづくりが、そこに住まう人々のパーソナルな部分にまで何かしらの影響を及ぼすものと考えています。

例えば、加賀市でモノづくりをしている生き生きとした人が増えれば、その背中を憧れの目で見る子どもたちが増えて、彼ら彼女らが夢を描くときに、素直にやりたいことが見つけられる環境になるかもしれない。その土地でモノを作ることの背後には、土地の歴史や資源を活用したモノを追求する以上に、土地の未来にまで良くも悪くも影響を与え得るということを自覚し、我々の取り組みが好循環を生み出せるように意識していきたいと考えています。

石川氏 我々が意識しなきゃいけないのは、何が日本らしさなのか。よく日本製品は品質がいいというイメージを持たれる方がいますが、例えば、中国のスマートフォンなど海外製品も品質がいいものはいい。

今、日本のモノづくりとは何なのだろう、と問われる時代になっている。でも、そんな中でも絶対に誇れるものが、歴史と文化。脈々と受け継がれてきたものが、世界に誇れるものだと思います。

それこそパナソニックさんでいうと、彦根の工場は60年以上稼働しているということで、大企業がそこまで長く続けるというのがすごいことだと思います。やはり大きな会社は、すぐに工場を移転したり、新設したりしますので。

この技術の蓄積を誇りにして、それをどうやって表現していくのか、ということが、これからの時代に問われることなのかなと思います。今後、より日本がしっかり世界に向かっていくためにも、単なる品質がいいとかでは難しいのではないかと。

上町氏 一時、日本から海外にOEMを出す流れが進んだ時期がありましたが、それで失ったものって、実は技術だけじゃなく、モノを作る情熱も欠落したのが、本当に痛い部分ではないかなと思っていて。

やはり、愛情込めて作るということは、原点に立ち返って相手を想って自分たちの手元で作ること。効率では計れない、大事な事を内包することに繋がると思います。

日本の受け継がれる文化の根底にはこういった情緒的な側面の伝承ができてこそ、良きモノづくりが持続していくことにもなると思いますし、その下地の上に現代の考え方を重ねていくことが、「日本らしさ」を維持したモノづくりの進化のカタチなのかなと思います。

別所氏 組織が大きいと、どうしても作り手の想いと裏腹に様々な制約が発生してぶつかってきます。そんな中でも、モノづくりに対する熱意やどう人のくらしを豊かにするか?という想いを持ち続けられるか。それが無いといいモノづくりができないと思います。

上町さんが仰るように、そういった日本人らしい、人のことを想うモノづくりは我々もしっかり学んで、反映していかないといけないと思っています。

規模は関係なく、どの企業にも共通するのは“モノを作る志”

――開発する上で意識していることは?

別所氏 商品開発のときは、ちょっとした裏テーマを持って取り組もうとは常に考えていますね。たとえば私は石を拾うことが好きなのですが、それがパームインをデザインするときの「いかに石のような佇まいに近づけるか」という思いにつながりました。表面の模様へのこだわりも、その辺りが活きていますね。

上町氏 作る前を大事にしています。先ほど石川さんがおっしゃっていたように「ARAS」をスタートさせる前に一番議論になったのが、なぜ、コレを作るんだっけ?という部分。

「ARAS」という言葉がない時から、1年ぐらいかけて、樹脂という素材の本質的な価値をピュアに発信するにはどうすればいいか、という議論を喧々諤々やって、その深い議論の末「ARAS」という具体的なビジョンが見えてきたんです。この作る前の部分をしっかり構築することで、チーム全体が同じ方向を向いて進むことができるんですよね。

石川氏 それこそ、デザイナーとクライアントという立ち位置になってしまうと、出てきたアウトプットに対して、もっとこうすればいいんじゃない?みたいなよくある光景になると思うんですけど。「ARAS」に関しては、カタチに対してなにかを言うことは全くしていなくて。

このプロジェクトでどういった問いかけをするのか、その回答はなにか、という部分を最大限、事前に議論して、その後出てきたカタチは、問いと答えがしっかり入っているかどうかだけなのかなと思います。

ですので、作る前の議論が「ARAS」の開発秘話みたいなものかもしれませんね。これからも時代に合わせて問いと答えが変化すると思いますので、その都度、問いと答えを議論することが開発する上で意識していることにつながるのかなと思います。

――今後のコラボ展開の可能性は?

上町氏 パナソニックさんのような歴史と実績が豊富で資本力がある大きな会社は、製品を実現する力が極めて秀でています。その反面、組織の強いディレクションと明確な役割分担があるため個々の視野を広く持つことや柔軟な意思決定がどうしても苦手になりがちです。一方私たちのようなベンチャーは、貧弱な組織ゆえに一つひとつのモノを実現するのに決死の覚悟で臨むことになりますが、組織がシンプルなので意思決定が早く、アイデアのトライアンドエラーを高回転に回すことができるのが取り柄ですし、それが糧となっています。もしタイアップができたとしたら、互いの得意不得意を補完し合うと同時に、双方にとって気づきがあるのではないかと思いますし、その結果単体では到達できないゴールを実現することができるかもしれません。また、それがうまくカタチになったとしたら、その事例が日本全体に埋もれた可能性を掘り起こす一助になるかもしれませんし、そういう未来を期待したいです。

別所氏 我々はどうしても社内の中で、企画部門、デザイン部門、マーケティング部門などと連携しながら開発を行なうのですが、確かに、地方の企業と協業してモノを作るというのは、当社ではあまり例がないことだと思います。今後、一緒になにかできれば嬉しいです。

石川氏 僕はコラボをやる時でも問いを立てると思うんです。例えば、なぜ彦根で製造を長く続けているのか、などからその歴史を辿ったり、シェーバーのモーターと刃はどうやって誕生したのだろうとか、そういったところを掘り下げて。我々もなぜ石川県でやっているのだろう、というような問いをそれぞれ掘り下げていくと、日本のモノづくりの問いにつながると思うんです。それはまさに大企業と中小企業の垣根を越えた、おもしろいコラボになると思いますので期待したいですね。

別所氏 それぞれ少しスケールが違うだけで、モノづくりにかける想いは一緒だと思います。彦根で働いている人たちは、どうすれば日本のモノづくりの技術を世界に発信できるのだろうと常日頃考えていますし、日本のモノづくりを盛り上げたいという共通点を活かした何かを作れたらいいなと思いますね。

上町氏 同じ志だからこそ、議論をしてみたいですよね。先ほど述べたようなお互いの立場、強みや弱みを共有しながら腹を割って議論ができれば、スケールやジャンルを超越した共通のテーマが見えてくるかもしれませんし、未だ見ぬ新たな答えが待っているんじゃないかと期待しちゃいますよね。

関連情報:
パナソニック『ラムダッシュ パームイン』
三井化学「NAGORI®」
石川樹脂工業
「ARAS」
「secca」

取材・文/オビツケン(ob1) 撮影/福永仲秋

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