「無印良品の家」を展開するMUJI HOUSEは、同社平屋商品である「陽の家」において、無印良品の家メールニュース会員やSNSフォロワーなど約2万人の声をもとに、あらゆる世代の価値観やニーズに対応した仕様を追加。2025年1月17日より販売を開始した。
また、既存プランも含めた全てのプランにおいて、国内最高水準断熱等級7に対応した仕様(以下、「高断熱仕様」)も、オプション仕様として提供を開始する(※1)。
※1 国土交通省が定める省エネ基準地域区分における1~3地域は「断熱等級6」の仕様。
新仕様追加の背景
国土交通省の「建築着工統計調査」によると、新築住宅の7件に1件が平屋であり、住宅着工棟数が減少している中でも平屋の需要は拡大しているという。その要因としてテレワークや多拠点居住などの住まい方、働き方の変化、また家族の形のあり方の変化が指摘されている。
無印良品の平屋「陽の家」は、2019年9月に販売を開始。多拠点居住やリモートワークなど多様な生き方、暮らし方に対応した商品として開発され、無印良品の家でも主力商品となっている。
2020年以降のコロナ禍を経て、人々の価値観やライフスタイルは2019年の販売時よりも大きく変化しており、また戸建の購入層も子育てファミリー層だけでなく、50代・60代のミドル層や、単身者にも拡大。購入層の年代や家族形態も多様化しているという。
無印良品の家では創業当初より、ライフスタイルや家族の成長に合わせて、空間を自由に仕切り、変化させることができる「永く使える、変えられる」を基本コンセプトとしてきたが、同社では「コンセプトはそのままに、現代の多様化した価値観やライフスタイルに対応した商品にしていくため、多くの方のご意見をアンケートで集め、その声を形にしました」と説明している。
■2万人が参加した「みんなで考える理想の平屋」アンケートについて
無印良品の家メールニュース会員やSNSフォロワーを対象に、「みんなで考える理想の平屋」と題して、平屋の魅力や実現したいこと、住まい方・暮らし方についてなど計6回アンケートを実施。延べ2万人が参加した。このアンケートの回答内容を参考に、今回の新たな仕様の追加開発が進められた。
<アンケート概要>
調査手法/オンラインアンケート
調査期間/2024 年7月29日~2024 年12月1日
調査回数/6回
調査対象/無印良品の家メールニュース会員、公式SNSフォロワー
有効回答数/2万2662名
新しく追加された仕様について
■ロフト | 天井部の有効活用
本来天井でふさがれてしまう小屋裏に、ロフトを追加することを可能にした。平屋の最大のメリットである「ワンフロアでの生活」を実現しつつ、必要なスペースを増やすことができる。
アンケートでは、一人になれる部屋がほしい、またできるなら一人で寝たい、などパーソナルな空間を求める声が多く、また、ロフトのある平屋についても半数以上から共感を得られたこともあり、新たな仕様として追加された。
<アンケート結果>
Q.平屋でどんな部屋を作ってみたいですか?
Q.普段、どなたと一緒に寝ていますか?またできるならどなたと一緒に寝たいですか?
■2列型キッチン | レイアウトをもっと自由に
キッチンの選択肢として、シンクとコンロが2列に分かれた「2列型キッチン」が追加された。配置の自由度が高く限られたスペースでも対面キッチンとすることができる、夫婦や親子など複数人で一緒に調理がしやすい形状だ。
アンケートでは、4割以上が自宅で一緒に料理を行なっており、キッチンのスタイルに対する共感度でも、ダイニングテーブルをキッチンにつけたセンターキッチンタイプに7割近い共感があったことから、動線や使い勝手を重視した2列型キッチンを新たな仕様として追加された。
<アンケート結果>
Q.ご自宅でどなたかと料理を一緒にしたいと思いますか?
Q.キッチンのスタイルに関する共感度について
その他、外壁国産の杉板貼り仕上げのカラーバリエーションに、黒色を追加。オプションで継ぎ目のないオリジナル塗り壁調仕上げもホワイトとグレーの2色から選択できるようになった。
また、浴室は、標準仕様のシンプルなユニットバスに加えて、自然に包まれてゆったりとくつろげる「天然素材を使ったユニットバス」と、掃除やカスタマイズが容易な「丸洗いできるユニットバス」が新たにラインアップされた。
新しく追加した仕様をもとにしたプランの一例:プライベート性を高めた空間
(1)寝室兼作業空間として部屋を分ければ、お互いのプライベートスペースを確保できる。
(2)小屋裏を活用したロフト空間は、広い収納スペースとして利用が可能。
(3)2列型キッチンは、調理スペースを広く保つことができ、複数人での調理にも適している。
高断熱仕様の追加について
標準仕様の「陽の家」は、既にUA値0.40※2、断熱等級6※1、また一次エネルギー消費量等級は最高等級6に対応しているが、高断熱仕様「陽の家」は、さらに断熱性の高い仕様に改良することで、UA値=0.23、断熱等級7※1を達成。より暖かく快適な住まいを実現する。
※1 国土交通省が定める省エネ基準地域区分における1~3地域を除く。
※2 2023年までに販売した陽の家の実績の平均値
※3 アメダス気象データをもとに算出する当社室内環境シミュレーション「+AIR」により、モデルプランの6地域(東京)における冷暖房費を、電力単価28円で算出したものであり、実際の冷暖房費を保証するものではありません。
■ダブル断熱工法
無印良品の家で標準採用しているダブル断熱工法。内断熱だけの場合、柱や梁などの構造材で断熱材が途切れてしまうが、ダブル断熱では、この部分を外断熱材がすっぽりと包み込み、高い断熱性能が発揮される。本仕様では外断熱に使用されるフェノールフォームの厚みを従来の1.5倍、内断熱のグラスウールの密度を1.25倍とし、断熱性能が大幅に向上している。
■トリプルガラス+樹脂サッシ
窓は家の中で最も熱の出入りが大きい場所。無印良品の家では、大きな窓を作っても快適に過ごせるように、断熱性の高いLow-Eトリプルガラスを標準採用している。そして本仕様ではサッシに樹脂サッシを採用。トリプルガラスとの組み合わせで熱貫流率は従来の1.5倍となり※4、より冷暖房効率を高めて光熱費の削減が期待できる。
※4 すべり出し窓/熱貫流率0.89w(平方m・K)の場合
販売開始時期と価格について
2025年1月17日より受注が開始された。販売価格はベースプランによって異なるが、WEBサイト内の「かんたん見積」サービスにて本仕様の価格をWEB上でチェックできる。
「かんたん見積」サービス:https://www.muji.net/ie/tokucho/kakaku/
陽の家新プラン販売特設サイト:https://www.muji.net/ie/younoie/2025new/
関連情報
https://www.muji.net/ie/younoie/2025new/
構成/清水眞希