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新たな目標管理手法として注目される「MBB」とは?特徴やMBOとの違い、実践のポイントを詳しく解説

アットダイム 2 週 前
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目標管理制度(MBO)の補完のため、近年はMBB(Management by Belief)が注目されています。社員の共感を引き出し、強い組織文化を形成できる概念について、主な特徴やメリット・実践方法などを解説します。

そもそもMBBとは?

MBB(Management by Belief)は、社員の価値観や信念を重視する、新たな目標管理手法として注目を集めています。まずは、MBBの定義や導入目的、MBOとの違いについて理解しましょう。

■MBBの定義

MBB(Management by Belief)は、社員一人一人の価値観や信念を重視し、経営に生かす手法として注目を集めている概念です。

社員が自身の価値観に基づいて目標を設定することで、仕事への意欲が高まり、結果的に組織全体のパフォーマンス向上に寄与するのが特徴です。

とりわけ近年は多様な働き方が求められる中、MBBは個人と組織の価値観を調和させる有効な手段として、さまざまな企業で導入が進んでいます。

■MBBの主な導入目的

多くの企業がMBBを導入しているのは、社員の仕事への意欲とやりがいを高めるためです。社員1人1人の価値観やビジョンを尊重し、それぞれの目標設定に反映させることで、自発的な行動を促進します。

また、人事評価の質の向上のため、MBBに注力する企業も増えてきました。個人の価値観に基づいた人事評価により、社員の評価への納得感を高めようとする取り組みです。

従来の画一的な評価基準から脱却し、多様な価値観を反映した評価により、社員のモチベーション向上と組織の活性化が期待できます。

■MBOとの違いは?

MBBとMBOは、どちらも社員の目標管理に関する手法ですが、MBOが数値目標の達成度を重視するのに対し、MBBは社員の価値観や信念を尊重します。

MBOでは、営業成績や生産性などの具体的な数値が評価指標となり、それが人事評価に直結するのが特徴です。一方、MBBでは社員の「思い」を重視し、組織の目標との整合性を図りながら、自発的な取り組みを促します。

ただし、MBBはMBOを補完する目的で導入されるケースが多くなっています。両者の併用で、より効果的な目標管理体制の構築が可能です。

MBBが注目されている理由

ミドルのビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

MBBが注目を集めている背景として、日本の雇用制度の変化や成果主義の浸透があります。それぞれの観点から、多くの企業がMBBを推進する理由を確認しておきましょう。

■日本型の雇用制度の変化

日本では、1990年代から終身雇用や年功序列といった制度が崩れ始め、社員の生産性の向上に重きが置かれるようになりました。その中でMBOが重視されるようになり、さらに近年はMBOを補完するためのMBBが、徐々に注目されるようになったのです。

MBBは個人の価値観と組織の目標を結び付けることで、社員のモチベーションを高めるのに役立ちます。

またグローバル化に伴い、多様な価値観を持つ人材が増えた点も、MBBが重視されるようになった理由の1つです。MBBは社員の多様性を生かしつつ、企業の成長につなげる有効な手法として認知され始めているのです。

■欧米型の成果主義の浸透

バブル崩壊後、日本企業は欧米型の経営手法を取り入れてきました。その中心となったのが、個人の能力やパフォーマンスを重視する成果主義です。

成果主義は短期的な結果を追求しがちですが、MBBは社員の価値観と組織目標を融合させ、長期的な視点で成果を生み出す仕組みの構築に役立ちます。

過度な成果主義で社員の反発を招く企業も少なくありませんが、MBBを導入すれば社員のモチベーションが向上し、組織全体の結束力の向上が可能です。組織としての継続的な成長に寄与するため、また成果主義の課題をカバーするために、MBBに注力する企業も少なくありません。

MBBの代表的な特徴やメリット

プロジェクトリーダー

(出典) pixta.jp

MBBはMBOを効果的に推進できるのに加えて、個人と組織の価値観を共有できる点や、イノベーションの促進につながるといったメリットがあります。それぞれ具体的にみていきましょう。

■MBOを効果的に推進できる

MBBは、従来のMBOを効果的に推進する手法としても注目されています。MBBは社員の価値観や「思い」を重視し、それを組織の目標と結び付けることで、目標達成への意欲を高められるのです。

例えば、新規顧客の開拓を目指す営業部門の場合、MBOだけでは単に数値目標を設定するにとどまる可能性があります。一方、MBBでは「お客さまの課題解決に貢献したい」という社員の思いを、目標設定に反映させます。

■個人・組織の価値観を共有できる

MBBに注力すれば、社員個人の「思い」や「信念」と、組織のビジョンや価値観を共有しやすくなります。

例えば、環境保護に関心のある社員が、会社の環境負荷低減プロジェクトに参加すれば、自身の価値観を仕事に反映させられるでしょう。

また、組織の一体感を醸成する効果も期待できます。異なる背景を持つ社員が、共通の目的意識を持つことでチームワークが強化され、優秀な人材の定着にも寄与するでしょう。

■イノベーションの促進につながる

MBBは、組織のイノベーションの促進にも大きな役割を果たします。社員の価値観や思いを尊重し、組織目標と結び付けることで、従来の枠にとらわれない斬新なアイデアが生まれやすくなります。

さまざまな社員の視点や考え方が交わることで、新たな発想が生まれ、組織全体の創造性が高まった例は少なくありません。

さらにMBBは社員の自主性を重視するため、失敗を恐れずチャレンジする文化も醸成されます。何事も挑戦を続ける組織文化により、持続的な改善や進化が可能となり、競争力の強化にもつながるでしょう。

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