太陽系には多くの謎が残っている。惑星などがどうやって生まれて現在の姿になったのか、地球の生命はどのように誕生したのか…。こうした不思議を解き明かす鍵を、太陽や惑星に比べ目立たない天体、小惑星が握っているといい、研究者の熱い視線を浴びている。日本は探査機による小惑星の試料回収(サンプルリターン)に2回成功しており、続いた米国との間で研究の連携が進む。天体の地球衝突から人類を守る「防衛」分野でも、小惑星の研究が本格化している。新たな探査計画も複数あり、日本が関わる動きが活発だ。小惑星をめぐる、今年の気になった動きをまとめた。
大収穫の試料通じ日米「能力高め合う」
「米国版はやぶさ」ともいわれる探査機「オシリス・レックス」が小惑星から地球に持ち帰った試料の一部が8月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に届いた。米航空宇宙局(NASA)との協力関係の一環で、JAXAの「はやぶさ2」が採取した試料と、互いに“交換”して分析するもの。その後、JAXAの専用施設で分類や観察の作業が続いた。
小惑星の試料は、初代「はやぶさ」が2...