東北大学などの研究グループが、低出生体重児のモデルマウスの作製に成功した。妊娠すると肝臓や胎盤に代謝障害が起こり、出産した子マウスの体重も低下。世代を超えて負の影響が連鎖するメカニズムを解明する一方、既存の薬剤の投与が健康リスクを軽減することも分かった。低出生体重児は将来、高血圧や腎疾患などにかかりやすいとされる。今回の成果をヒトに応用し、リスクの啓発や効果的な治療薬の研究につなげていきたいという。
東北大学大学院薬学研究科の佐藤恵美子准教授(臨床薬学)らの研究グループは、2500グラム未満で生まれる低出生体重児が思春期にさしかかる年齢で尿タンパクが検出されたり、血圧が高くなったりする疫学研究結果に着目し、「適正体重で産まれた子どもとどのような違いが生じているのか」と考え、今回の研究に着手した。