ビデオゲームにはメンタルヘルスを改善し人生満足度を向上させる効果があると、日本大学経済科学研究所などのグループが明らかにした。新型コロナウイルス禍で家庭用ゲーム機が抽選販売になったことをきっかけに、当落者の実際の生活に基づく比較などを通じ因果関係を明らかにした。ゲームは子どもの健康に悪いといった言説も多いが、同研究所の江上弘幸助教(人間行動科学)は「ポジティブに考えても良いのではないか」と話している。
ゲーム機巡るケンカ 研究のきっかけ
江上助教と、共同研究者で政策研究大学院大学(GRIPS)の大学院生だった江上千紘さん夫妻の3人の子どもたちは、コロナ禍で自宅にこもっている間、携帯ゲーム機の取り合いでケンカをしていた。千紘さんが「2台目を購入すれば解決するのでは」と提案し、新しい機器を購入するとケンカの頻度が減った。その際、江上助教が家電量販店を訪れたところ、携帯ゲーム機は需要が大幅に増えたため、抽選販売をしていることを知った。江上助教は「これを大規模社会実験に生かせないか」とひらめいた。