宇宙空間を占める「ダークマター」(暗黒物質)。存在は知られているが、観測できておらず、世界中の研究者が探究している。正体がまだ分からないダークマターを追求する研究アプローチにはどんなものがあり、研究が進んだ将来にこの物質が世の中にどう関わっていくのか。10月26、27日に開かれたサイエンスアゴラ2024のセッション「ダークマター研究の未来 君ならどう挑む?」と「ダークマター裁判のゆくえ」で、その現在地を研究者と参加者が一緒に考えた。
登壇者と参加者はおそろいの黒いTシャツ
高エネルギー加速器研究機構(KEK)が企画した「君ならどう挑む?」。27日昼過ぎ、東京・お台場のテレコムセンタービル1階に、大人や子ども50人近くが黒いTシャツを着て集まった。ダークマターをイメージして用意したものだという。
同じ黒シャツ姿で登壇した東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(IPMU)の村山斉教授は、「光を出さないから見えず、光を吸うこともない。ダークマターは日本語では暗黒物質ともいいますが、透明物質のようです」と、ダークマターの概...