2023年の世界の温室効果ガスの排出量は571億トン(二酸化炭素換算)に及び、前年から1.3%増加して過去最多になったとする報告書を国連環境計画(UNEP)が公表した。世界中で猛暑、豪雨や干ばつなどの「極端な気象」が頻発して大きな被害を出している。報告書は温室効果ガスの総排出量が増え続けて気候変動に歯止めがかからない現状を浮き彫りにした。
地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は産業革命前からの気温上昇を1.5度以内に抑えることを目指している。UNEPは各国が一致して排出削減対策を強化しなければ世界の平均気温の上昇幅は今世紀中に最大3.1度に及ぶと警告している。