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部下に「バカ」を連発したパワハラ上司を裁判所がセーフ認定した意外な理由

アットダイム 4 月 前
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こんにちは。

弁護士の林 孝匡です。

宇宙イチわかりやすい法律解説を目指しています。

バカ!
バカ!
バカ!

上司が部下に「バカ」と連発した事件です(東京地裁 R5.2.17)メッセージでバカ連発です。あとは、頭を頭を叩いたり足を蹴ったりの暴行もありました。

裁判所は「暴行はアウト」と判断。

―― バカの連発は?

裁判所
「・・・・」

え!ウソやろ!

裁判の全貌をお届けします。

※ 実際の判決を基に構成
※ 判決の本質を損なわないようフランクな会話に変換
※ 争いを一部抜粋して簡略化

登場人物

▼ 会社

一般建設や店舗内装工事などを行う会社

▼ Xさん

S49生まれ
H15入社

▼ パワハラ上司

取締役

どんな事件か

Xさんが在職中に受けたパワハラを見ていきましょう。Xさんは1年ほどで退職しています。

▼ 侮辱メッセージ【その1】

以下のようなメッセージのやりとりがありました。

パワハラ上司
「府中消防署で漏水発生」
「明日15時に現場行けるようであれば予定してください」

Xさん
「お疲れ様です。了解いたしました」

パワハラ上司
「行けるようであればって文章理解できない?何でもかんでも電話して聞くんじゃなくて少し自分の頭で考えろバカ!
「今後あまりバカだと2度と連絡しません」

ヒートアップしてますね。バカなしでも文章を打てるのに。

▼侮辱メッセージ【その2】

パワハラ上司はXさんに以下のメッセージを送信しました。

パワハラ上司
「職人を使うようであれば予算は半人工、午後の仕事も考えること」
「自分で材料持っていってできるのでは?」
「よく考えろ」
「ジプトン2枚で職人使うのか?」
「決まり次第ではなく期日は明日の昼です」
「小修繕になったら自分でも作業すること多々あるんだよ」
「よく文面見ろバカ」

いつも一言多いですね…。

▼侮辱メッセージ 【その3】

以下のようなメッセージのやりとりです。

パワハラ上司
「また黒板に予定書いてないけど今日の予定どうなってるんだ」

Xさん
「お疲れ様です。すみません、了解いたしました」

パワハラ上司
「了解しましたじゃなくて今日の予定どうなってるか聞いてんだバカ

たしかにXさんは上司の質問に答えておらず、上司がイラつく気持ちも分かりますが「バカ」は余計ですよね。

▼手を出す

侮辱メッセージだけじゃなくて、手も足も出しています。暴行は以下のとおりです。


・頭を10回くらい叩く
・ヘルメットの上から頭を5回くらい小突く
・説教をしながら足を5回くらい蹴飛ばす


―― なんで頭を叩いたんですか?

パワハラ上司
「Xさんが居眠りをしていたのでヘルメット越しに小突きました」

▼提訴

Xさんは慰謝料100万円を求めて提訴(残業代も請求していますが文字数の関係上、割愛します。ちなみに判決で残業代約164万円が認められています)

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