バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の概要
甲状腺は、首の前部に位置する蝶々のような形をした軽量の臓器です。食べ物に含まれるヨウ素を利用して甲状腺ホルモンを生産し、主に体の代謝や温度調整に関与します。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)は、甲状腺が過剰に活動し、甲状腺ホルモンを多量に分泌する自己免疫疾患です。自己免疫疾患とは、本来細菌やウィルスなどから体を守る免疫システムが、自身の臓器・細胞を標的にしてしまうことで起きる病気の総称です。バセドウ病の場合、免疫システムが甲状腺刺激ホルモン受容体(TSH受容体)を誤って刺激し、結果、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることになります。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、動悸や息切れ、手足の震え、多汗、全身倦怠感、体重減少、眼球突出など全身にさまざまな影響を及ぼします。
バセドウ病の原因には、遺伝的要素や環境的要因が考えられていますが、TSH受容体に対する抗体がなぜ生成されるの...