甲状腺機能低下症の概要
甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモン(遊離T4、遊離T3)の分泌量が低下した状態を言います。甲状腺ホルモンは身体のあらゆる部位で新陳代謝を活発にする働きがあり、体内に不足すると無気力、憂うつ感、認知障害、疲労感、動作緩慢、体重増加、便秘、皮膚の乾燥、月経不順、不妊、嗄声、脱毛などの多岐に渡る症状が現れます。
甲状腺機能低下症の症状は更年期障害やうつ病などと似た部分も多く、患者さん自ら甲状腺疾患を疑うのが難しい面があります。そのため適切な科を受診できず、ほかの疾患と診断されて治療が行われている場合も珍しくないようです。
原発性甲状腺機能低下症
一方、甲状腺ホルモンの値は正常範囲内にも関わらず、甲状腺ホルモンの分泌に必要な甲状腺刺激ホルモン(TSH)が高値の場合は潜在性甲状腺機能...