リンパ浮腫の概要
リンパ浮腫とは何らかの原因でリンパ管に回収されなかった体液が細胞同士のすき間に溜まり、手脚などにむくみが生じる状態のことをいいます。
リンパ浮腫は、原因が明らかでない原発性リンパ浮腫(一次性リンパ浮腫)と原因が明らかな続発性リンパ浮腫(二次性リンパ浮腫)に分けられます。日本では続発性リンパ浮腫が多く、がんの手術や放射線治療に伴って発症するケースがほとんどです。
注意すべき合併症の一つに蜂窩織炎(ほうかしきえん)があります。蜂窩織炎とは小さな傷から細菌が入ることで起こる皮膚の炎症です。すでにむくみがある場合、さらに状態が悪化してしまったり、自覚症状がない初期段階でも、蜂窩織炎をきっかけにリンパ浮腫を発症することもあります。そのため蜂窩織炎を起こしたら、早期に治療し速やかに炎症を抑えることが重要です。
リンパ浮腫の治療は、圧迫療法などの理学療法にセルフケア指導を加えた複合的治療が基本です。複合的治療をおこ...