呼吸不全の概要
呼吸不全とは体に必要な酸素が不足し、呼吸が苦しくなる状態です。血液に酸素を取り入れる能力と二酸化炭素を排出する能力のバランスが崩れて、体の正常な機能が失われることで、息切れや呼吸苦を引き起こします。呼吸不全は血中の二酸化炭素濃度によってⅠ型呼吸不全とⅡ型呼吸不全に分けられます。
Ⅰ型呼吸不全
Ⅰ型呼吸不全とは、血中の酸素濃度が60mmHg以下で二酸化炭素濃度の増加は伴わない(45mmHg以下)呼吸障害です。急性の肺炎や気胸、肺梗塞で発症します。特徴的な症状は、発熱などの全身状態に加えて咳や痰、急激な胸痛や呼吸困難です。酸素療法や原因疾患の治療が第一選択として行われます。
Ⅱ型呼吸不全
Ⅱ型呼吸不全とは血中の酸素濃度が60mmH以下かつ血中の二酸化炭素濃度が45mmHg以上となる呼吸障害です。症状がゆっくりと進行することによって呼吸不全で崩れる血中pHバランスを腎臓で代償が可能なため、症状が出にくいこともあり...