ストレスを受けたマウスはエサの場所が複数あっても1カ所に偏って摂食する行動を示すことを滋賀医科大学の研究グループが実証した。一般的にストレスで大量に食べる「過食」や食欲が無くなる「拒食」になることはあるが、食べ方にも変化が生じることが分かった。今後、ヒトにも応用できるか検討し、AI(人工知能)とセンサーを使って、その人固有の食べ方の些細な変化でストレスを可視化することを目指すという。
ストレスによる過食や拒食は食事の量に着目し、個人差も大きい。滋賀医科大学神経難病研究センターの藤岡祐介助教(神経内科学)の研究グループは、食べる順序やどの食品を優先的に食べるかといった「食事の質」の変化にも目を向けてはどうかと考えた。
藤岡助教は日頃、外来診療で認知症やパーキンソン病の患者を診ている。患者の家族や介助者から「(主食とおかずを交互に食べる)三角食べができなくなった」「食べ方が変わった」という声が寄せられることが多かった。患者の様子を観察すると、食べ方にムラや変化がある。しかし、実際にストレスや疾患で食べ方が変わるかどうかを科学的に説明できる...