遅刻癖がある人と待ち合わせなどの約束をすると、予定がズレて計画通りに進まず、イライラしてしまうことがあります。貴重な時間を無駄にさせられていると感じ、つらい気持ちになる人もいるでしょう。遅刻癖がある人の特徴や、対処法などを紹介します。
遅刻癖とは
遅刻をすると周囲の人を待たせてしまい、迷惑をかけてしまうものです。誰しも遅刻をしたことはあるかもしれませんが、『遅刻癖』があるとなると話は別です。
遅刻癖とは、どういう状態のことなのか見ていきましょう。
遅刻が当然の状態
『癖』は『行動や好みの偏り』を表す言葉で、『遅刻癖』は『遅刻が当然の状態になっている人』に対して使います。どんな人でも突発的な理由で遅刻することはあり、これまで一度も時間に遅れたことがないという人は少数派でしょう。
遅刻癖がある人は、『遅れて来ない方が珍しい状態』になってしまっており、周囲から「あの人はいつも遅れて来る」と認識されています。
中には、遅刻に対して寛容な人もいますが、そうでない人からは悪癖として嫌われていると思った方がよいでしょう。
遅刻癖がある人の特徴
たとえ数分でも毎回遅刻しているのであれば、遅刻癖を持っている可能性があります。どんな特徴を持つ人が多いのか、見ていきましょう。
相手の気持ちを考えない
遅刻癖がある人は、相手の気持ちを考えない傾向にあります。「相手が待っているとき、どんな気持ちでいるだろう」とは考えず「私はとても疲れているから、起きられなくても仕方がない」と考えるのです。
遅れるのは悪いと思っていても『自分の気持ちを優先してしまう』ので、いつまでたっても改善しません。誰でも多少は自分本位な考え方をするものですが、度を超えると周囲に迷惑をかけてしまいます。
交通機関の遅延や体調不良など、やむを得ない事情があれば「遅れても仕方がない」と考える人が大半です。しかし、何も理由がないのに毎回集合時間を無視する人は、自分勝手だと思われても仕方がないでしょう。
早起きが苦手
早起きが苦手な人は、遅刻癖に発展しやすいといえます。『起きなければならないと分かっているのに、起きられない』ので、遅刻してしまうのです。
早く就寝しても寝起きが悪いタイプの人や、寝なければいけないのに遅くまで起きてプライベートな時間を満喫してしまう人など、事情はそれぞれです。
何が原因なのかを調査した上で生活環境を改善し、寝付きやすい環境を整えれば改善する可能性があります。何をしても起きられない場合は、早い時間に重要な予定を入れないなどの工夫をしなければならないでしょう。
スケジュール管理ができない
『スケジュール管理ができず、計画的に動けないこと』も、遅刻癖がある人の特徴です。早起きができて、早い時間から出かける準備をしているのに、なぜか毎回遅刻するタイプの人もいます。
遅刻癖がある人は、余裕を持たせた計画を立てられず、何かあったときのために準備しておこうとは考えません。中には、次の予定に間に合わないことを前提とした、『無理のある約束』をしてしまう人もいるでしょう。
スケジュール管理が上手な人は、約束を重複させないように調整できたり、無理のない時間配分で行動したりするものです。移動時に車を利用する際にも「道が混んでいるかも」と考えて早めに出るといった工夫をしますが、遅刻癖がある人はそこまで考えないことがほとんどです。
原因は何?遅刻癖がある人の心理状態
決まった時間通りに行動するのが当たり前だと思っている人は、毎回遅刻する人の心理を理解しづらいものです。どんな気持ちが働いて遅刻するのか、見ていきましょう。
楽観的に考えがち
楽観的な性格の持ち主は、遅刻癖を持っている場合があります。楽観的だからといって必ず遅刻するわけではありませんが、つい自分にとって都合のよい方向に物事を考えてしまうので、遅刻しがちです。
「相手もきっと遅れて来るだろう」「少しくらい遅れても、許してもらえる」と考え、時間を守ろうとしないことがあります。
「乗り継ぎのときに急げばきっと間に合う」と楽観的に考え、集合時間に間に合うか分からない、ギリギリの時間を出発時間に設定するというように、無茶な計画を立てるケースも珍しくありません。
楽観的な性格の人は、相手が遅れて来ても気にしないタイプが多く、遅刻癖に悩まされていることに共感してもらうのは難しいでしょう。
損したくない
いつでも遅刻する人には、損したくないという心理が働いている場合があります。「もし、早めに到着したら自分だけが待たされる」と考え、少しでも遅めに到着しようと画策するので、毎回遅刻するのです。
「相手を待って損するくらいなら、遅刻した方がマシ」と考えているケースもあります。「早めに到着したらよいことがあるかも」と思えればよいのですが、そう思えていない状態です。
相手を大切に思っているのであれば、早めに到着することを損とは感じにくいでしょう。むしろ、相手を待たせて嫌われてしまうことを損に思うはずです。
いつでも待たされている状態だと「相手に軽んじられているのでは?」という疑問が浮かんでも仕方がありません。もし、相手に損得勘定が働いて遅刻しているなら、関係がうまくいかなくなる心配があります。
面倒くさい
極度の面倒くさがりであることが、遅刻癖につながっているケースもあります。「動くことが面倒くさくてたまらない」と感じていると、行動が遅くなり遅刻しやすいのです。
人によって考え方はさまざまですが、予定の直前になって「行くのが面倒くさいな」と思ってしまい、だらだらと準備したりわざと遅れたりする人もいます。
楽しみな予定に対しては、早起きや早めの準備などが苦にならないという人は多いものですが、予定自体は楽しみなのに面倒くさい気持ちが勝ってしまう人もいるでしょう。
遅刻癖がある人への対処法
遅刻癖は、本人に直したい気持ちがない限り、簡単には直りません。中には、時間通りに行動したいのにどうしてもできず、悩んでいる人もいます。
「遅刻癖さえなければよい人なのに」と感じ、付き合いを継続したい場合もあるでしょう。遅刻癖がある人に対処する方法を紹介します。
約束の時間前に連絡を入れる
相手に遅刻癖があると分かっている場合、約束の時間前に何度かに分けて連絡を入れましょう。『起きる時間』『出発時間』『到着予定時間』というように、小まめに連絡を入れて状況を報告してもらいます。
起きる時間に連絡を入れて返事がないときは、寝過ごしているということです。自分も時間のことをあまり気にせず、ゆっくりと支度をするとよいかもしれません。
出発時間になっても連絡が取れない場合、ほかの計画に切り替えることもできます。何度も連絡を入れるのは大変なので、どうしても時間通りに来てもらわなければならないときなどに、実践するとよいでしょう。
遅刻を前提に行動する
遅刻癖がある人と待ち合わせをする際は、相手が遅刻することを前提に行動しましょう。待つことが苦ではなくなる場所を待ち合わせ場所に選び、『遅れると予定が狂うような計画は立てないこと』がポイントです。
暑さや寒さが厳しい時期は、屋内を待ち合わせ場所にするとよいでしょう。書店やカフェなど、自分好みの場所を指定すると退屈せずに過ごせます。
買い物や銀行へ行く用事など、個人的な予定を終わらせられそうな場所を選んでも構いません。待ち時間が苦にならないように、待っている間にやることを決めておくとイライラせずに済むはずです。
段階的にペナルティーを与える
遅刻癖がある人は、自分で何が悪いのか分かっていないことが多く、注意してもなかなか直りません。本人に全く悪気がなく、簡単に許してもらえると考えているケースもあります。
会社員の場合、遅刻3回につき1欠勤というように『ペナルティー』が設けられていることが少なくありません。給料や査定に響くとなれば、誰でも少しは注意しようと考えるものです。
この心理を利用して、約束に遅れたときはペナルティーを与えてみましょう。最初から重すぎる内容にすると、ペナルティーが嫌だから行かないという行動を取る恐れがあるので、段階的に決めるのがポイントです。
『15分以上遅刻したらお茶をおごる』『30分以上遅れたら食事をおごる』など、実現できそうな範囲でペナルティーを考えましょう。相手の同意が必要ですが、損したくないから遅刻するタイプなら効果が期待できます。
遅刻癖の直し方
また、自分の遅刻癖に悩んでいる人もいることでしょう。そんな時はこれらの行動を試してみてください。
いつも使う時計を5~10分早めておく
故意に時計の時間を変えてしまうのも手です。それがリアルな時間だと思い込むだけで、あなたの行動は時計を進めた分巻きで流れていくわけです。
いつも自分が遅刻をしてしまう時間の分だけ、進めておくのもいいでしょう。
遅刻貯金をする
前述した「段階的にペナルティーを与える」という対処法と同様です。
自分に罰金(貯金)という形でペナルティーを課してみましょう。少額からはじめてそれでも遅刻が直らないなら、貯金の額を増やしたり、その貯金を寄付することにしたり、負担を大きくすると効果的かもしれません。
構成/編集部