完璧主義な人には、責任感が強い、仕事が丁寧といった特徴や長所がある。ただし、プライドが高い、他人にも厳しいといった短所についての指摘もあり、そんな性格をなんとかしたいと考える人も少なくないのではないだろうか。
本記事では、完璧主義な人の傾向について解説していく。完璧主義になる原因や直し方についても触れているため、ぜひ目を通してみてほしい。
完璧主義とは
完璧主義とは、何事においても完璧を追い求める性質や特徴を指す。
必要以上に高い目標設定の元で絶えず努力する傾向にあり、妥協を許せない人のことを完璧主義者と呼ぶ。
責任感の強さから周囲の信頼を得やすい一方、こだわりが強く人間関係のトラブルも少なくない。何でも一人で抱え込みがちなため、ストレスを溜め込みやすい傾向もあるだろう。
完璧主義な人の特徴
完璧主義者には、完璧を追求するがゆえの性質がある。はじめに、完璧主義な人に見られる代表的な特徴を確認していこう。
■ 理想が高い
完璧主義者の特徴といえば、理想が高いことが挙げられる。
どんなことにも努力を惜しまないため、設定した目標を着実に達成していき、おのずと高い理想を掲げるようになるのだ。
努力を惜しまないことに加え、妥協を許さないことも理想の高さに関係しているだろう。0からいきなり100を求める傾向にあり、頑張りすぎて自分を追い込んでしまうことも少なくない。
■ 責任感が強い
責任感が強いことも、完璧主義な人の特徴の一つ。任された仕事や一度やり始めた物事に真摯に向き合い、妥協できないこともあって強い責任感が生まれるのだ。
ただし、一人で背負いがちなため、周囲に甘える・頼るのが苦手な一面も。また、自分のみならず、周囲にも責任感を求めてすぎてしまうかもしれない。結果的にクオリティは引き上がるが、その姿勢をストレスに感じる人も周囲にはいるだろう。
■ プライドが高い
完璧主義の人はプライドが高く、自分が他者より優れていると思う傾向にある。
自己愛が強いこともあって、「自分はすごい」「よく見られたい」「尊敬されるべき」と思っており、周りからの評価を執拗に気にするのも特徴のひとつだ。
自己愛や自尊心が強すぎる一面があるのだろう。
■ こだわりが強い
完璧主義者の「理想が高い」という特徴は、こだわりの強さにもつながる。行き届いたクオリティを追求できるのは良いことだが、細かいところばかり気になって本来の目的が二の次になることは懸念点である。
周りが見えなくなって目標達成に何時間も費やしたり、質を求めるために大金をはたいたり、時間にもお金にも効率が良いとは言えない。うまくいかないと集中の糸がぷっつり切れてしまうことも、完璧を追い求めるがための特徴だ。
■ 承認欲求が強い
完璧主義の人はプライドや理想こそ高いが、自己肯定感は低い傾向にある。
自分に自信がないぶん承認欲求が強く、「大切にされたい」「褒められたい」という思いが大きいのだ。
承認欲求が満たされないと、自分に価値がないのではないかと人一倍落ち込みやすい。認められる完璧な人間になろうと努力しすぎるため、疲れやすいのも特徴である。
完璧主義になる原因
完璧主義になってしまう原因は、大きく分けて「幼少期の環境」「生まれつき」「過去のトラウマ」のいずれかにあると言われている。一つずつ確認していこう。
■ 幼少期のしつけや環境
両親から厳しくしつけられて育つと、完璧主義になる可能性が高くなる。幼少期の環境は成長に大きな影響を与える要因のひとつだ。
例えば、テストで高い点数を取らなければ怒られる、きょうだいの面倒を見なければおやつ抜きなどの環境に置かれたとしよう。失敗やミスに対する恐怖心が強くなり、完璧に振舞うことがクセ付いてしまうのだ。
■ 生まれ持った個人の性格
「プライドが高い」「承認欲求が強い」といった、完璧主義者にありがちな特徴が、生まれ持っての性格であることもままある。元々の性格が原因の場合は、完璧主義に寄っていくのも時間の問題だろう。
■ 過去のトラウマ
失敗を笑われたり罵倒されたり、過去のトラウマから完璧主義になるケースもある。再び失敗すると、また以前のように傷ついたり怒られたりすると身構え、完璧にこなすことを目標とするようになるのだ。
完璧主義な人の長所
自身を追い込み、時に周りをも巻き込む完璧主義。とはいえ、完璧主義者だからこその長所もあ。以下では、完璧主義者の長所を3つ紹介する。
■ 仕事が丁寧で、クオリティが高い
完璧主義者ゆえの責任感の強さは、仕事の質向上につながることが多い。決して器用ではないけれど、注意深く慎重に進むため「仕事が丁寧」とも評価してもらえるだろう。
こだわりの強さから、一見見落としがちなところに気付きやすいことも長所の一つだ。
■ 周囲から信頼されやすい
完璧主義ならではの丁寧な仕事ぶりは、信頼獲得にも一役買ってくれる。手を抜かずにコツコツ努力する姿は評価に値し、多くの人の信頼を集めやすいのだ。
■ 責任感が強く、最後までやり遂げる
完璧主義な人の強い責任感は、物事を途中で放り出さず完遂するという長所にもつながる。やり遂げるごとに周囲からの信頼も益々厚くなり、評価されるぶん責任感も強くなっていくのだ。大きなプロジェクトを任されることも夢ではないだろう。
完璧主義な人の短所
丁寧な仕事ぶりと責任感の強さから、信頼・評価されやすい完璧主義な人。一方で、スピード感や対応・適応力といった部分で問題が生じやすい。以下では、完璧主義な人の3つ短所となりそうな点をまとめた。
■ 始めるまで時間がかかる
完璧主義な人にありがちな短所は、始動までに時間がかかってしまうということだ。基本的に0か100かの性格のため、完璧にやりこなせると判断するまで動けない傾向にある。
やり始めると高い成果を上げられるが、フットワークは軽くなく、100%未満の自信で動き出せないのはやや問題だ。
■ 他人にも完璧を求める
完璧主義者は責任感の強さを含め、他者にも自分と同レベルの完璧を求める傾向にある。手を抜く人を許せず、場合によっては𠮟りつけてしまうこともあるだろう。完璧を求めるために人間関係がこじれやすいのは、避けて通れない道だ。
■1つの失敗を引きずりやすい
過去のトラウマや環境によって完璧主義にならざるを得なかった人は、失敗を後々まで引きずりやすい。一つのミスが精神的に命取りなのだ。なかなか始動できないことと相まって、新しいことに挑戦しにくくなることも短所の一つと言える。
完璧主義をやめたい人の直し方
最後に、完璧主義をやめたい人のために、性格との向き合い方を紹介していく。生まれつきの性格も含め、工夫次第できっと改善に向かうはずだ。
■ 優先順位を付けて行動する
こだわりの強さを軽減するためには、優先順位をつけて動くことが大切である。そもそもすべてのことを一から十まで完璧にこなすことは不可能であり、一部に時間や労力をかけすぎているとなおさらである。
優先順位が決まると、今度はその縛りを忠実に守ろうと努力するだろう。徐々にこだわりからフェードアウトして、完璧主義の傾向が和らぐと考えられる。
■ 物事を加点式で考える
物事を加点式で考えることも、向き合い方の一つである。
完璧主義者は失敗を防ぐことに情熱を注ぐため、減点的な物の見方をする傾向にあるのだ。「完璧にやるには何が足りないか」ではなく、これができたから完璧に近づけた、といった見方にシフトしてほしい。
加えて、できたことを褒める・できなくても次があると思えるよう意識してみよう。
■ 周囲の人に頼る
完璧主義な人は一人で抱え込みがちのため、人に頼るという選択をしてみてほしい。人には得意不得意があるため、分担する方が効率的で、かつコミュニケーションもはかれる。
人を頼るのには抵抗があるかもしれないが、手持ちの仕事が少なくなるとストレス軽減にもつながって良いことづくしだ。
「できないくせに完璧主義」の呪いを解こう
何事にも完璧を求める完璧主義者。努力家で責任感が強いことから、仕事においても信頼を勝ち取りやすいはずだ。
ただし、失敗すると尾を引きやすいことや、周囲の人にも同レベルを求めやすく、ストレスが絶えないことは見逃せない。
自覚している人の中には、「自分はできないくせに完璧主義だ」と悩む人も少なくないだろう。すべてにおいて100%な人などおらず、できないことがあるからこそ完璧を追い続けるのである。完璧主義の呪いに対し、自分なりの向き合い方を研究してみよう。
文/shiro
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