代表的なバイオプラスチックであるポリ乳酸で、課題だった温度の低い環境下での生分解性と伸びを改善できる手法を開発したと、産業技術総合研究所(産総研)などのグループが明らかにした。ポリ乳酸に乳酸と3-ヒドロキシブタン酸の共重合体(LAHB)を混ぜることで克服。最適なブレンド比などが解明されれば、高温高湿下で分解されるポリ乳酸が海洋で分解できる道が開け、海洋プラスチックゴミ問題の解決にも期待できるという。
石油由来のプラスチックの代替として、バイオプラスチックの開発が進む。バイオプラスチックには、生物由来で再生可能なバイオマスプラスチックと、微生物の働きで最終的に水と二酸化炭素に分解される生分解性プラスチックが含まれる。
ポリ乳酸は、植物由来の糖を乳酸菌で発酵してできる乳酸を重合して製造され、生分解性も併せ持つバイオプラスチック。ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート(PET)と物性が似ており、これら石油由来プラスチックに替わる材料として世界的に生産されている。しかし、伸びにくくもろい。堆肥化施設など温度60度以上、湿度60%以上の高温...