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撤退か?事業強化か?良品計画のヨーロッパ事業再編に注目すべき理由

アットダイム 9 月 前
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「無印良品」を展開する良品計画が、4月8日にヨーロッパ事業を統括する連結子会社の清算を決定したと発表しました。負債総額はおよそ9700万ポンド(183億円)。親会社である良品計画は6600万ポンド(123億円)の貸付を行っています。

今回の発表では、借入や商品代等により親会社(良品計画)への債務が膨らみ、債務超過に転落していたとあります。ここだけを切り取るとヨーロッパ事業が不調で、撤退するようにも見えますが、むしろ事業強化に向けたポジティブなものであることがわかります。清算の狙いがどこにあるのかを紐解きます。

4月8日、良品計画が英国子会社の清算の報道があった。その意味とは……?

ヨーロッパを統括する子会社の債務は解消

まず、今回の清算手続きですが、イギリスの連結子会社MUJI Europe Holdings Limitedに対して再建型倒産手続き(Administration)を行うという内容です。これはイギリスの倒産手続きの一つ。法定の支払猶予の保護のもとで会社を再編し、継続企業の会社を救済する目的で行います。

この手続きでは、会社の事業や財産を管理する経営管財人が選任されますが、再生手続き終了時に会社の支配権は取締役に返還されるのが普通です。

良品計画は2023年11月24日に資本金1ポンドでMUJI Europe Limitedという会社を設立しています。事業内容はヨーロッパ事業の管理。これが再生を担う会社で、今後はヨーロッパを統括する会社として事業を承継します。2024年3月13日にはこの子会社に対して2000万ポンド(38億円)の増資を行っていました。資本金38億円で新たなスタートを切るということです。

良品計画は(もともとヨーロッパ事業を統括していた)MUJI Europe Holdings Limitedの清算により、債券債務を解消しました。

すなわち、今回の倒産劇は親子間における貸し借りをなくし、債務超過も解消してヨーロッパ事業をキレイな状態で再スタートします、という内容なのです。

なお、良品計画はこの手続きが2024年8月期の業績に与える影響を評価中としています。債権放棄に関わる損失を計上する可能性があります。

しかし、撤退ではなくヨーロッパ事業を残して事業を継続する価値は十分あるように見えます。

■ヨーロッパ事業の再編内容

「欧州事業の事業・財務基盤強化を目的とした企業グループの再編に伴う英国統括子会社の清算」より

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