2000年代の初め頃からインターネットに親しんでいた人であれば、「呼びタメOK」「呼びタメ大歓迎」などの言葉を見たことがあるはずだ。
しかし、20年以上が経ってインターネットも様変わりし、新たにインターネットやSNSに触れるようになった人にとっては、「呼びタメ」は意味をつかみづらい言葉となっている。
そこで本記事では、「呼びタメ」の意味や使い方、「呼びタメ」でコミュニケーションを取る場合の注意点などについて解説する。
「呼びタメ」とはどんな意味?
「呼びタメ」の読み方は「よびため」。敬称を付けずに相手を呼ぶ「呼び捨て」と、丁寧語を使わないしゃべり方である「タメ口」の二つを合わせた言葉だ。同年代や友達同士のように敬称・敬語を使わない気軽なコミュニケーションを意味する。
ちなみに、「タメ口」の「タメ」とは、「同等」「対等」の意味で、お互いの年齢や立場が同程度であることを指す。「対等」の「タ」、賭博用語の「同目(どうめ)=ゾロ目」の「メ」が語源と言われる。
■2000年代にインターネットを中心に広まった
「呼びタメ」は、2000年代にインターネット上の掲示板で使われるようになり、2010年代頃には、X(旧Twitter)を中心としたSNSにも広がった。
■「呼びタメOK」「呼びタメ大歓迎」の意味とは?
SNSではユーザーのプロフィール欄に「呼びタメOK」「呼びタメ大歓迎」と書かれているケースがある。これは、SNS上で交流する際、相手に対して敬語を使わず「呼び捨て」「タメ口」で良いことを意味する。
■「ちゃん付け」と「呼びタメ」の違いは?
「ちゃん付け」は、相手の名前を呼ぶ際に親しみを込めて「ちゃん」を付ける呼び方のこと。「呼びタメ」は、呼び捨てを推奨しているため、「ちゃん付け」は該当しないのかと悩む人もいるだろうが、親しみを込めたコミュニケーションである点は共通している。
「呼びタメOK」の相手が「ちゃん付け」も大丈夫かどうかは相手によるため、本人に確認するのがもっとも確実だ。
「呼びタメ」の使い方と言い換え表現は?
ネットスラングとして長い歴史を持つ「呼びタメ」だが、若い世代には知らない人も多い。「呼びタメ」の使い方と言い換え表現を覚えておくと、ネット上の相手とコミュニケーションを取る際の役に立つだろう。
■「呼びタメ」の使い方
「呼びタメ」は、SNSなどのプロフィール欄に記載する使い方の他に、「#(ハッシュタグ)」を付けた「#呼びタメOK」などの表記で、気軽なコミュニケーションを希望する他のユーザーを探す目的でも使われる。
【例文】
・呼びタメ大歓迎です。
・呼びタメで大丈夫ですよ。
・#呼びタメOK
■「呼びタメでいいですか?」と言われた時の返し方や断り方は?
相手から「呼びタメでいいですか?」と言われた場合は、相手との関係性や自分自身の考え方に基づいてOKかNGかを決めると良い。
【OKな場合の返し方】
自分も「呼びタメ」で交流したい場合は、「もちろん!私もタメ口にするね!」などのように、了承したあとで敬語をなくすとスマートな受け答えになる。
【NGな場合の断り方】
「呼びタメ」が苦手な場合は、無理せず「ごめんなさい。タメ口が苦手なので」とはっきり断るのがおすすめ。普段の投稿で敬語を使うようにしたり、敬語でのコミュニケーションを心がけたりすることで「呼びタメOK?」の提案そのものが来にくくなるため、意識すると良いだろう。
■「呼びタメ」は死語?通じない場合の言い換え表現
「呼びタメ」はネットスラングのため、相手によっては通じない場合もある。「呼びタメ」と同じ意味の言い換え表現も知っておくと便利だ。
【言い換え表現】
・タメ口
・敬語なし/敬語抜き
「呼びタメ」を使う際の注意点
親しみを込めたコミュニケーションを呼びかける「呼びタメ」だが、使う時の注意点もある。インターネットでのトラブルを避けるためにも以下のポイントを心がけよう。
■「呼びタメ」が苦手な人もいる
見知らぬ相手とタメ口で会話することが苦手な人は多い。タメ口で話すほど親しいと思っている相手でも、向こうはそう感じていないケースもあるため、いきなり「呼びタメ」でコミュニケーションを取ることは避けよう。
また、「呼びタメ」を断られたり、反対に「呼びタメ」で話しかけられたりすることでショックを受けた場合も、「そういう人もいるんだな」と軽く受け止め、過度に気にしないようにしたい。
■年下からの「呼びタメ」提案は要注意
一般的に、年齢は立場の高低をわかりやすく表すため、年下からの「呼びタメ」提案を失礼と感じる人もいる。「呼びタメ」を提案するのは、相手が同年代や年下とわかっている場合に留めたほうが良いだろう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部