先負とは?どんな日か解説
カレンダーや手帳を使ったことがある人なら、日付の脇に『先負』という文字があるのを見かけたことがあるはずです。先負とは、どのような日なのでしょうか?
■先負の意味と読み方
先負は『先負日(せんぶにち)』の略称で、読み方は『せんぶ』『せんぷ』『さきまけ』『せんまけ』です。読み方は地域によってさまざまですが、『せんぶ』と読まれるケースが多いでしょう。
日本には古来、重要な物事や儀式の日柄を『六曜(ろくよう)』によって判断する習慣があります。先負は六曜の一つで、意味は『先んずれば即ち(すなわち)負ける』です。この日は、物事を急いで進めようとせず、何をするにしても平静を保つのが望ましいとされています。
そもそも六曜とは
六曜(六輝)とは、日に6種類の曜を当てはめ、日時の吉凶を占う考え方です。一説では、古代中国の占術「六壬」が起源とされ、日本には14世紀ごろに伝わったといわれます。江戸時代の中期から暦(こよみ)に記されて流行し、庶民の間に広まったといわれています。
六曜を見れば、その日に何をすればよいのか、何をしない方がよいのかが分かるため、現在も一部のカレンダーや手帳に記載されています。特に、慶事・弔事・引っ越し・開業・商談・勝負事の際に六曜を意識する人が多いようです。
基本的に六曜の順番は決まっており、以下の並び順でカレンダー上に配置されます。旧暦の1日にリセットされ、また同じサイクルを繰り返すルールです。
- 先勝
- 友引
- 先負
- 仏滅
- 大安
- 赤口
■先負は縁起が悪い日ではない
六曜を縁起が良い順に並べると、大安・友引・先勝・先負・赤口・仏滅の順番になります。先負は『負』という字から、縁起が悪い日と捉えられがちですが、時間帯によって吉凶が変わるため、一概に良い・悪いとはいえません。
前述の通り、先負には『先んずれば即ち負ける』の意味があります。新たな事業や契約、勝負事には適しておらず、何事も慌てないことが肝要です。午前中は凶ですが、午後は吉に転じるため、行動を起こすなら午後まで待つのが賢明でしょう。
先負に行なってもよいこと・避けるべきこと
六曜には、古くからの言い伝えとして、行なってもよいことと避けるべきことがあります。先負は、慌てずに控えめに過ごすのがよいとされていますが、具体的にはどのような点に注意すべきなのでしょうか?
友引のお通夜、葬儀、仏滅の結婚式など「六曜」を気にしている人の割合は?
カレンダーやスケジュール帳の日付の下に小さくある「大安」や「友引」などといった表記。これは「六曜」といい、その日の運勢の良し悪しが簡単に分かるもので、中国から伝...
■結婚式や入籍などは午後がおすすめ
結婚式や入籍などの慶事は、最も縁起が良いとされる『大安』を選ぶのが理想ですが、先負を選んでも問題はありません。ただし、午前中は凶、午後は吉とされているため、縁起にこだわる人は、午前中の慶事は避けましょう。
急がずに平穏に過ごす日であることから、引っ越し日も先負を避けるのが無難です。ただし、大安は引っ越し業者が混み合い、予約が取れないケースが多いでしょう。先負を選んだ場合は、午後からの引っ越しがおすすめです。縁起を担ぐなら、納車も午後からがよいでしょう。
弔事(お葬式・お通夜・法事など)は、先負を選んでも問題はなく、時間帯にもこだわる必要はありません。
■訴訟や宝くじの購入は避ける
先負は『負』という文字が使われているため、以下のような『勝ち負けに関すること』は避けた方がよいとされています。勝負事はせず、心穏やかに1日を過ごしましょう。
- 訴訟・裁判
- 試合
- 宝くじの購入
- 縁起物の購入
- 財布の新調
『先んずれば即ち負ける』の通り、急用にも適していません。今後を左右する重要な契約や人生の節目における意思決定は、縁起が良い日を選びたいものです。
知っておきたいその他の六曜
六曜には、先負を含む6種類の曜があります。大安は、万事に良い日として知られていますが、『先勝』『友引』『赤口』は、文字から意味が想像しにくいかもしれません。それぞれ、どのような日なのか解説します。
■先勝
先勝は、『せんかち』または『せんしょう』と読みます。『先んずれば勝つ』や『先手必勝』の意味があり、何事も早めに済ませるのがよいといわれています。
午前は吉ですが、午後は凶に転じるため、結婚式やお見合いなどの大事なイベントは午前中(午後2時まで)に済ませましょう。
先勝の日に葬儀を行なっても問題ありません。ただし、先勝にお通夜を行うと、葬儀日が『友引』に重なる可能性があります。友引は本来、凶日ではありませんが、葬儀がタブーとされていることを覚えておきましょう。
■友引
友引は、『ともびき』または『ゆういん』と読みます。元々は、『共に引き分け(勝負がつかない)』という意味でしたが、陰陽道にあった『友引日』と混同され、日本では『友を引き込む』という意味に転じました。
大安に続き、結婚式や入籍などの慶事は歓迎されますが、お通夜や葬儀などの忌事は避ける人が多い傾向があります。友引を休業日とする火葬場も少なくありません。午の刻(うまのこく)である午前11時~午後1時は凶とされています。
■赤口
『赤口』は仏滅と同様に、『六曜』の中でも縁起が悪いとされる凶日です。意味や避けるべきイベントを知っておけば、今後のスケジューリングに役立てられるでしょう。吉とな...
構成/編集部