ホウレンソウなどの冬野菜は気温低下を感知し、凍結耐性を高めるために細胞壁の多糖を増やすことを、埼玉大学大学院理工学研究科の高橋大輔助教(植物生理学)らが突き止めた。この働きは多くの植物で認められており、凍結耐性を改変することで農作物の収量増加や品質の向上につながる可能性がある。
冬野菜は他の季節より甘くておいしいことが昔から知られている。おいしさの元は細胞内の糖分だ。細胞液が水ならば理論的には摂氏零度以下で凍ってしまうが、冬野菜の細胞液は気温低下を感じると糖分が増えて凝固点を下げるなどし、零下でも凍らず生存できるようにしている。