大地にそびえる日本最高峰の富士山。その円錐形の美しい姿は周囲の景色とともに四季折々の表情を見せている。世界的に知られ、多くの外国人観光客も訪れる観光メッカだが、過去何度も噴火を繰り返した活火山でもある。その富士山について火山の専門家は「もう300年以上噴火しておらず、いつ噴火しても不思議ではない」と指摘する。
東日本大震災の被害の衝撃があまりに大きく、その後も大地震が相次いだために日本が「地震大国」であるとの認識は広まったが、同じように「火山大国」でもあるとの危機感はそれほど強くない。そうした状況の中で内閣府が8月26日、富士山で大規模噴火が発生した場合の降灰などの被害イメージを伝えるCG動画を公開した。
この動画は、東京などの首都圏が時間の経過とともに降灰被害が甚大化し、都市機能がマヒする様子を鮮明に伝えている。内閣府の担当者は「大規模噴火に備えるきっかけにしてほしい」と呼びかけている。南海トラフ地震や首都直下地震と同じように、富士山噴火も「国難級災害」であることを忘れないようにしたい。