進行した虫歯や歯周病の治療では、被せ物や入れ歯などを入れることが多い。これらやマウスピース類を補綴物(ほてつぶつ)という。補綴物は国家資格を持った歯科技工士が緻密な熟練の手作業で作るが、その技工士の数が今、国内で不足。歯科技工士の養成校がない県や、補綴物を輸入している歯科医院もある。このような現状に、クラウドや人工知能(AI)などの先端技術を用いて、歯科技工の従来の景色を塗り替えようとしているのが、東京科学大学発ベンチャーの「エミウム」(東京都新宿区)だ。同社は、クラウド上で技工サービスを提供することで、歯科技工士や歯科医師らの手間を減らしている。
保険診療から自費診療まで 広がるニーズ
2025年10月、紅葉が美しい北海道大学の構内にエミウム代表取締役の稲田雅彦の姿はあった。学会に集まった歯科医師や歯科メーカーの社員が、稲田が語るこれからの歯科医療に起こる技術革新に耳を傾けていた。「歯科技工士問題は、ただ人の数だけで解決するのではなく、こういったAIで解決することができる。今の戦力...




